生体工学研究室
研究室について
研究テーマ
本研究室は、機械工学分野を医療技術に応用する生体力学?生体材料工学に関する研究に取り組んでいます。機械工学のキーワードとなる熱?材料?流体?振動を軸に医療機器や生体内現象の解明を目指しています。
細胞や組織の低温保存技術に関する研究
疾病や外傷などにより組織や臓器が正常に機能しなくなった際、臓器移植や再生医療による治療が行われています。しかし、これら臓器?組織?細胞などは適切に保存されていないと移植手術を行っても正常に機能しません。臓器は複数の細胞や組織が組み込まれており、厚みもあるため長期保存が困難で、例えば心臓の場合、摘出から手術終了まで4時間という厳しい時間制限の中で移植手術は実施されています。
本研究室ではこのような問題に対して、より長期保存が可能となる手法を目指して保存溶液に希ガスを加圧溶解した手法や現行設定温度より臓器の損傷が低減できる保存温度の検討を行っています。また、保存対象に対してダメージを与えない形で生存状態をモニタリングする手法に関しても研究を行っています。
本研究室ではこのような問題に対して、より長期保存が可能となる手法を目指して保存溶液に希ガスを加圧溶解した手法や現行設定温度より臓器の損傷が低減できる保存温度の検討を行っています。また、保存対象に対してダメージを与えない形で生存状態をモニタリングする手法に関しても研究を行っています。
人工関節の固定性に関する研究
医療機器が病院で使用される前には各種安全性や機能性評価が実施され、医薬品医療機器総合機構や第三者認証機関での審査を経ています。しかし使用者である医療従事者からの目線ではその特性が十分に公になっていない、もしくは評価されていない為使用する際の判断に悩むケースがあります。人工関節置換術では、術者がインプラントをハンマーで打ち込むため患者の骨質などの状態次第では術中骨折が生じる事や固定不良が生じることがあります。
本研究室では人工関節を骨へ固定するした際の判定を補助する機器の開発や、その骨への固定性を定量評価する方法を検討しています。
本研究室では人工関節を骨へ固定するした際の判定を補助する機器の開発や、その骨への固定性を定量評価する方法を検討しています。
コーティング材料による生体材料と生体間の反応を制御する研究
現在、整形外科や口腔外科領域において骨折をはじめとする骨再建に係る金属材料としてチタンおよびチタン合金が用いられています。この様な金属材料のうち、顎骨再建時に用いられるメンブレンや骨折時の固定用スクリューなどの治癒が確認された後に抜去を意図する用途のものが存在します。しかし、これらのチタン製補綴材は材料表面で骨形成が起こることにより骨と強く癒着し、抜去に難渋するという問題が報告されています。
そこで、このような問題を解決するために骨と癒着しない物質でチタンをコーティングして表面を改良することを検討しています。
そこで、このような問題を解決するために骨と癒着しない物質でチタンをコーティングして表面を改良することを検討しています。