生物学単位
自然科学教育センター
生物学の基礎を学ぶ
博狗体育在线_狗博体育直播【官方授权网站】@は「生命科学の総合大学」です。専門課程でどのような生命科学を学ぶにしても、幅広い生物学の知識が必要であることは言うまでもありません。生物学単位では、生物学の基礎的な知識、考え方、実験手法を学ぶための科目「生物学」および「生物学実験」を担当しています。また、高校生物の未履修者を対象とした「生物学要習」を開講しています。

生物学単位の紹介
高校で「生物」を履修した学生の多くは(履修しなかった学生のほとんどは)「生物」は暗記科目だと思っているかもしれません。「細胞」「呼吸」「遺伝子」???といった項目が整然と並び、「リボソーム」「シナプス」「ランゲルハンス島」???といった単語が次々に出てくるからです。我々が大学で教えたい「生物学」は、試験問題の空欄を埋めるための用語の羅列ではなく、その用語がどのような意味や概念を持つのか、どのような研究を背景にして生まれたのか、そして、どのように身の回りの現象や問題に結びついているのか、ということです。これらの基礎的な知識と科学の方法は、今後、専門科目を学ぶ上で必要なだけではなく、医療や健康、地球環境といった身近なライフサイエンスを理解する上で欠かせないものです。
大学教員は、教育者であると同時に研究者でもあります。我々はいつも研究の現場にいながら、最先端の成果を学び、生命の本質について深く理解しようとしています。生物学単位では、教員の日々の研究活動を最大限に生かし、皆さんに生物学の楽しさや奥深さを伝えたいと思っています。
開講科目
生物学
教育目標ヒトを含めた生物や生命を科学的?体系的に理解していくために,その基礎として必要な知識?概念を学ぶ.また、いくつかの主要な生命現象を詳しく学ぶことを通して、生命現象への興味や探求心を高めながら理解を深め、生物学的なとらえ方と考え方を身につける。
教育内容
多様な生物が見せる生命の特徴を通じて生物とはどのようなものかを解説し、生命はどのように成り立っているかについて、生命体の構造と機能を説明する。さらに、主要な生命現象の例を紹介することで、生命現象がどのように分析され、理解されているかについて解説する。生物の進化や環境とのかかわりという視点も取り入れながら、生物や生命とは何かを考えてゆく。
生物学実験
教育目標実験器具や顕微鏡の取り扱い方、数値測定?解析法を学び、科学の方法やものの見方を身につける。
教育内容
「顕微鏡実験」と「生化学実験」を行う。「顕微鏡実験」では、光学顕微鏡の使い方を学び、細胞と組織の観察とスケッチを行う。「生化学実験」では、実験機器の取り扱い方を学び、DNA、酵素、糖などの生体物質の性質を調べる。また、レポートの書き方を学ぶことで、実験結果を正確に記述すること、実験結果に基づき考察すること、教科書や文献を調べて要点をまとめることができるようになる。
生物学要習
教育目標高校での生物が未履修の学生が、高校の「生物」「生物基礎」の基本的知識を身につけ、「生物学」の授業を円滑に履修できるようになる。
教育内容
細胞の構造と機能、遺伝と発生、動物の反応、生態系について学ぶ。
生物学実験の様子








生物学実験マニュアル

生物学実験の全般的注意
このマニュアルの構成
第I編 顕微鏡実験
第II編 生化学実験
APPENDIX
このマニュアルの構成
第I編 顕微鏡実験
- 顕微鏡の取り扱い方
- 体細胞分裂
- 原生生物(ゾウリムシ)
第II編 生化学実験
- 生化学実験の基礎
- 酵素活性(酸性ホスファターゼ)
- 発芽時における糖代謝(コムギ)
APPENDIX
- 比色法
- 電子天秤の使用法
- ガラス器具の洗浄法
- 試薬?サンプルの調整法
- 生物学実験レポートの作成と提出時の注意
研究紹介
研究対象
生物学単位では、細胞生物学、生理学、発生学、神経科学、生態学の研究をしています。実験対象として、培養細胞、昆虫(カイコ)、原索動物(ホヤ)、魚類(ゼブラフィッシュ)、両生類(イモリ)、鳥類(ニワトリ)、哺乳類(マウス)、植物(小笠原諸島の固有種)を扱っています。
現在進行中の研究テーマ
- 骨形成過程における組織間相互作用(和田浩則 教授)
ゼブラフィッシュの骨の形態形成のさいに、周囲の組織がどのように相互作用しているのかを明らかにする。
詳細はこちら - 受精時における精子の運調節機構(吉田学 教授)
ホヤの精子走化性や硬骨魚類の浸透圧による精子運動活性化を題材に、受精時に見られる精子運動制御 の分子メカニズムの解明を行なっている。 - 哺乳類精子の受精能調節機構(吉田学 教授)
哺乳類精子の受精能獲得機構の解明を目指し、抑制的に働く精嚢分泌タンパク質の作用をマウスで解析している。さらに、精子受精能の改善を通じた男性不妊治療への応用を探っている。 - ポリアミンによる植物の光合成促進に関する研究(坂田剛 准教授)
CO2と親和性のある生体分子ポリアミンが植物の光合成を促進するメカニズムを明らかにし、植物の環境適応に果たす役割を明らかにする。 - 小笠原諸島の植物の光合成と水利用の戦略に関する研究(坂田剛 准教授)
海洋島である小笠原諸島において、独自に進化してきた植物の光合成や水利用の種特性を調べる。生物種が、系統に由来する制約のもとで環境に適応し、同一環境に多種が共存するメカニズムを明らかにする。 - 脳と行動の性分化に関する研究(加藤智美 講師)
鳥類において、遺伝的制御と内分泌制御の相互作用によって脳に生じる性的二型を検出する。雌雄胚間で脳の交換移植を行ったモデル動物の解析を行うことで、性分化における雌雄それぞれの脳の役割の解明を目指す。 - イモリを用いた原腸胚形成のしくみに関する研究(増本三香 講師)
原腸胚形成に伴う内胚葉細胞の運動機構の解析を行う。 - 細胞の遊走と増殖に関する研究(西村真由子 講師)
培養細胞を用い、細胞が遊走する仕組みや増殖して集団を形成する仕組みについての解析を行う。 - 記憶?学習を支える神経基盤に関する研究(中森智啓 講師)
鳥類のインプリンティング(刷込み行動)をモデルとして、幼若期の学習行動や神経細胞の可塑的変化のメカニズムを明らかにする。 - エネルギー代謝調節に関する研究(中森智啓 講師)
鳥類の発育過程において、各組織のエネルギー代謝と脳機能の相互作用を明らかにする。 - カイコ休眠卵の人工孵化メカニズムに関する研究(山本貴之 助教)
DMSO(ジメチルスルホキシド)をカイコの休眠卵に浸透させることで、休眠への移行を阻害し、人工的に孵化させることが可能である。従来から用いられている浸酸(塩酸)処理法と比較することで、カイコ休眠卵の人工孵化メカニズムを明らかにする。 - Rho small GTPaseによる細胞骨格制御の研究(森真美子 助教)
培養細胞を用いて、細胞骨格を制御するRho small GTPaseの一種であるRacの不活化因子(GAP)の機能解析を行う。特に細胞形態の変化を制御するメカニズムを明らかにし、細胞運動との関連を解明する。
主な研究業績(2000年以降)(別ウィンドウで開きます)
教員紹介

人は必ず何かしらの生き物が好きです。イヌ好き、ネコ好き、ヒト好き、蕎麦好き、焼き肉好きなどなど。したがって「生物学」は驚くほど身近な学問です。「高校の生物」のような暗記科目としてではなく、身近でスリリングな生きた学問としての「生物学」を教えたいと思います。

生物学は、多様な生物や地球環境から食物、医学にまで関わる、私たちの身近な学問です。一方、「生物」と「無生物」の境界や「種」の定義など、答えが定まらず、哲学や宗教にも通じる深いテーマを内包します。生物学を学ぶことで、日常に新たな気付きや驚きがもたらされ、科学的視点から世界を捉える力が育まれることを願っています。

大学での学びを通して,知の消費者から知の生産者になることを目指しましょう。

生物学の基本も観察です。どんなことでも興味や疑問をもつようなことがでてきたら、自分で調べて考えるステップがとても大切です。色々な経験を通して、自分の世界を広げていきましょう。

増本 三香
Masumoto Mika
Masumoto Mika
講師
専門分野
昆虫比較発生学?両生類の発生生物学
担当
グリーン環境創生科学科と未来工学部の生物学講義?各学部の生物学実験?生物学要習
物事を知ると世界が広がります。興味のあるなしに関わらず、貪欲に学んでください。

担当している生物学の授業や生物学実験では、こちらから質問して学生さんに答えてもらう機会を設けています。時には周りの人と相談し、思ったことを自由に発言していただけたらと思っています。その中で新たなアイデアが生まれたり理解が深まることが多々あります。予想外の回答も大歓迎です。

この世界で起こっている生命現象や、人間の体のしくみなどについて学生一人一人が「自分の言葉」で説明できるようになることを目指して講義を行なっています。また、生物学実験では、生物学の基礎的な実験手法の習得を通して、生物学への興味をより深めて欲しいです。

1年次で行う生物学実験では、講義で学んだ知識を実際に確認することができます。実験を通じて得た基礎的な操作法やデータ処理法を活用し、専門課程での学修に役立ててください。

生き物が生存していく上で欠かせない様々な生命現象を理解し、興味を持って欲しいです。実験と講義を通じて生命の不思議を楽しみながら学びましょう。そして専門科目のより深い理解と幅広い知識の習得に役立ててください。