数学単位
基礎教育センター
論理的な思考法や直感力を養い実際問題に対応できる解析力や計算力を身につける
物事を根本から考え、論理的に推論するという数学的な思考法および抽象化された表現法を体得することは専門科目の色々な場面で役に立つと思われます。 数学の講義やそれに付随する自主学習を通じて物事をじっくり考える習慣を身につけてもらうことを期待しています。
数学単位の紹介
数学は、サイエンスを学ぶ上での世界共通言語と呼べるほど重要で基本的な科目です。 また、今日の社会が数量の概念を欠いては成立し得ないことから、数学は実に多方面に活用されています。 生命科学を学ぶ当大学においても、数学は必須の科目と考えてよいでしょう。 数学の授業には当然のことながら実験がありません。 実験を行わずに理論の力によって問題の解答を得ようとするところに数学の授業の特徴があります。 従って、計算を含めた数学的な論理を正確かつスマートに使えることが大切です。
物事を根本から考え、論理的に推論するという数学的な思考法および抽象化された表現法を体得することは専門科目の色々な場面で役に立つと思われます。 数学の講義やそれに付随する自主学習を通じて物事をじっくり考える習慣を身につけてもらうことを期待しています。
開設科目

数学単位では、理学部を除く全ての学部に対し、1群科目における以下の科目を開講しています。 各学部によって、開講している科目や必修か選択か等、多少の違いがありますので、詳しくはシラバスを参照してもらいたいのですが、ここでは開講科目に関する大まかな説明をしたいと思います。
授業形態、クラスの大きさ等は学部によって少しずつ異なりますが、授業では演習などを随時取り入れて、学生の皆さんが一歩一歩確実に理解しながら進めるような授業を展開しています。
数学?微分積分学A?微分積分学B
本科目では主に微分積分学を学びます(線形代数学の理論を中心に学ぶコースも一部あります)。 微分積分学で扱う関数は、図形の面積?体積,物(物質や動体)の変化の状態などを表すことができるので、他の学問とも密接に関係する学問です。 前半は、高等学校で学んだ微積分の知識を土台に、微分積分学の基礎を具体的に分かりやすく解説していきます。 後半は、高校では取り上げられなかった多変数関数の微分積分学を中心に扱います。 演習時間はできるだけ豊富に設けるので、授業への積極的な参加を期待します。
また、本科目では、高等学校で数学IIIを履修したかどうかで知識の量にかなりのばらつきが出ますので、薬学部、医療衛生学部(健康科学科?リハビリテーション学科)、海洋生命科学部、獣医学部では習熟度別授業を展開しています(4月のオリエンテーション時にクラス分けを行います)。
統計学A ? 統計学BI ? 統計学BII
生命科学の分野では、実験?各種調査により様々なデータを扱います。 客観的なデータを得るために、まず、いかに実験?調査をするか、いかに得られたデータを整理?分類するかが重要です。 そしてそのデータを解析することにより、その母集団に対してのある結論を導き出し、その結論がどの位の信頼性をもつかなどを考察します。 統計学の手法は多種多様ですが、この講義では普遍性のある非常に基本的な知識や方法を講義していきます。 統計学の理論はやや難しいのですが、その考え方(確率をもとにした統計的推論)は非常に大切です。
発展数学A ? 発展数学B
やや高度な内容の数学を受講したいと希望する学生に対して開講する科目です。 微積分、行列、ベクトルの分野をさらに発展させ、その応用について学びます。 発展的事項については、一般的な大学1年生が学ばない内容も含まれており、内容はやや難しいですが、入門部分に的を絞りできるだけ易しく丁寧に解説します。 数学に関心の高い学生さんは、この授業を足場にさらに様々な分野に挑戦をしてもらいたいと願っています。
数学の基礎
高等学校で「数学I」と「数学A」程度しか学んでいない学生のために開講する科目です。 数学の基礎学力を補足し、他の学問を学ぶ際に支障のないような知識と計算力の養成を目指します。 内容は、
(関数と方程式)
式の計算?因数定理?初等関数(n次関数?三角関数?指数関数?対数関数)など
(微分入門)
初等関数のグラフ、関数の極限と微積分の初歩である微分の計算など
(微分から積分へ)
微分の応用(ロピタルの定理?グラフの凹凸)、不定積分?定積分の計算など
を扱います。
教養演習について
担当教員がそれぞれの専門分野または関心のある領域を背景に演習のテーマを設定し、講義形式、演習形式、ゼミ形式など、それぞれの方法で授業を進めていきます。 過去に扱われたテーマの一例を挙げると、 「トポロジー入門」、「初等整数論入門」、 「代数学の考え方」、「微分方程式入門」、「ラプラス変換とフーリエ解析」などです(テーマは各年度毎に変更する場合もありますので、詳しくはシラバスを参照してください)。
進んだ数学の内容に触れることのできる絶好の機会ですので、興味のある学生さんは積極的に履修することを勧めます。
教員紹介

大学生活は貴重な時間であり、皆さんが成長するための大切な機会です。大学生としての本分を忘れず、真摯に「学び」に取り組みましょう。同時に、勉強以外にも自分が夢中になれることを見つけ、心から楽しめる経験を重ねてください。時間は無限ではありません。計画を立て、目標に向かって日々を大切に過ごすことが、将来の自分を支える大きな力になるはずです。

数学的考え方を学べば、効率よくなると考えられがちですが、実際には、いろいろ試行錯誤をしながら勉強した方が、後で役に立つことが多いと感じています。意外な発見は、ちょっと見方を変えたところにあると思えます。たくさん学んでください。

大学生活は意外と短いものです。色々なことに自由に挑戦できる貴重な時間ですので,悔いが残らないように積極的に行動して,充実した大学生活を送ってください。

好きなことを思う存分できる時間は本当に限られています。興味あることにはどんどんチャレンジして、沢山の人と知り合って、「単位を取って卒業する」だけではない、充実した学生生活を送ってください。でもメリハリは大事ですよ。

数学、統計学は医療系には必要ないし苦手だと考えている人が多いかもしれません。しかし、医学の中ではたくさんの数学や統計が使われており、高学年の専門科目で必要となることがあるかもしれません。その際に数学を基礎から勉強するのは大変なので、ぜひ1年生の数学や統計学を勉強しておきましょう。逆に数学が得意だという人は高校数学という狭い世界だけではなく大学数学の面白みを味わってください。高校数学より少し発展した数学を学ぶことで統計学の裏にある理論を理解することができ、統計学の理解も深まります。