お知らせ
植物工場における薬用植物優良苗の育成と生産
2013/06/08
超高齢社会の日本では、現代医療だけでは治療し難い、生活習慣病、認知症等が増加し、漢方薬が、それらの治療に有効であることが示されてきています。その結果、セルフメディケーションだけでなく、臨床現場においても漢方薬の使用量は増加しています。事実、現在漢方薬を処方する医師は全体の89.0%(日本漢方生薬製剤協会:漢方薬処方実態調査2011より)に上り、今後も漢方薬の需要は増加すると思われます。しかし、漢方薬の原料となる生薬の国内自給率はわずか10%であり、その大半が中国から輸入されているので、中国の物価や人件費上昇、中国国内及び外国での需要増加、中国での採取?輸出規制に伴い、生薬供給価格が高騰し、その安定供給が危ぶまれています。我々は、生薬の安心?安全な安定供給のため、植物工場における薬用植物の生産研究を行っており、ウラルカンゾウを中心にその成果がみとめられています。
吉松 嘉代 独立行政法人医薬基盤研究所薬用植物資源研究センター筑波研究部 育種生理研究室長