博狗体育在线_狗博体育直播【官方授权网站】@5年度 博狗体育在线_狗博体育直播【官方授权网站】@ 病院情報の公表

病院指標

  1. 年齢階級別退院患者数
  2. 診断群分類別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)
  3. 初発の5大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数
  4. 成人市中肺炎の重症度別患者数等
  5. 脳梗塞の患者数等
  6. 診療科別主要手術別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)
  7. その他(DIC、敗血症、その他の真菌症および手術?術後の合併症の発生率)

医療の質指標

  1. リスクレベルが「中」以上の手術を施行した患者の肺血栓塞栓症の予防対策の実施率
  2. 血液培養2セット実施率
  3. 広域スペクトル抗菌薬使用時の細菌培養実施率
年齢階級別退院患者数ファイルをダウンロード
年齢区分 0~ 10~ 20~ 30~ 40~ 50~ 60~ 70~ 80~ 90~
患者数 1518 1011 836 1187 1823 3254 4045 6715 3803 322
診断群分類別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)ファイルをダウンロード
小児科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
150120xx99x1xx 脳性麻痺-手術なし-処置1:0-処置2:あり-副病:0-0 92 7.67 7.66 0.00% 10.55
150120xx99x0xx 脳性麻痺-手術なし-処置1:0-処置2:なし-副病:0-0 66 7.32 4.71 1.52% 9.42
040090xxxxxxxx 急性気管支炎、急性細気管支炎、下気道感染症(その他)-手術なし-処置1:0-処置2:0-副病:0-0 43 11.65 5.96 9.30% 5.37
010230xx99x00x てんかん-手術なし-処置1:0-処置2:なし-副病:なし-0 33 10.33 7.19 0.00% 7.15
14031xx09910xx 先天性心疾患(動脈管開存症、心房中隔欠損症を除く。)(1歳以上)-手術なし-処置1:あり-処置2:なし-副病:0-0 30 4.20 4.00 0.00% 6.13
小児科には様々な専門分野があり、またそれぞれの専門分野において多様な疾患を取り扱っております。その中で本リストは特に患者様の入院が多いものであり、地域のニーズにあわせた医療の結果であると考えております。

当院は当地域においては、重症またはより未熟な早産低出生体重児を診療できる施設として基幹病院となっており、その対応ができるようスタッフの増員、また病床を増やすことで地域の周産期医療に貢献できるよう体制を整えております。またそのような早産低出生体重児の患者様や当院に通院に頂いているような基礎疾患がある患者様は様々な合併症で入院加療を必要としやすく,そのような入院が多くなっております。
整形外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
07040xxx01xxxx 股関節骨頭壊死、股関節症(変形性を含む。)-人工関節再置換術等-処置1:0-処置2:0-副病:0-0 201 19.67 19.55 20.40% 66.49
070230xx01xxxx 膝関節症(変形性を含む。)-人工関節再置換術等-処置1:0-処置2:0-副病:0-0 99 23.91 21.96 27.27% 73.37
070180xx97xxxx 脊椎変形-手術あり-処置1:0-処置2:0-副病:0-0 67 22.33 21.46 16.42% 25.12
160610xx01xxxx 四肢筋腱損傷-靱帯断裂形成手術等-処置1:0-処置2:0-副病:0-0 48 14.75 15.58 2.08% 55.33
070160xx01xxxx 上肢末梢神経麻痺-手根管開放手術等-処置1:0-処置2:0-副病:0-0 46 5.67 4.49 0.00% 70.02
形成外科?美容外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
060565xxxxx0xx 顎変形症-手術なし-処置1:0-処置2:なし-副病:0-0 86 4.52 7.48 0.00% 27.60
020230xx97x0xx 眼瞼下垂-手術あり-処置1:0-処置2:なし-副病:0-0 85 2.01 2.82 0.00% 69.56
140140xxxxxxxx 口蓋?口唇先天性疾患-手術なし-処置1:0-処置2:0-副病:0-0 46 9.87 8.57 0.00% 7.28
080007xx010xxx 皮膚の良性新生物-皮膚、皮下腫瘍摘出術(露出部)等-処置1:なし-処置2:0-副病:0-0 38 4.61 3.93 0.00% 46.79
080006xx01x0xx 皮膚の悪性腫瘍(黒色腫以外)-皮膚悪性腫瘍切除術等-処置1:0-処置2:なし-副病:0-0 33 11.97 7.22 0.00% 69.82
1973年の開設以来、形成外科領域全般にわたって診療を行っています。特に腫瘍、手外科、マイクロサージャリー、顎顔面外科、口唇口蓋裂、ケロイド、レーザー、美容外科については専門外来が主体となって診療を行っています。眼瞼の形成手術では、機能的障害を改善するのみではなく、整容面にも配慮し手術を行っています。顎変形症に対しては、自費診療を含め口腔外科医と共に治療にあたっています。口唇口蓋裂は各診療科、部門との連携を取りチーム医療を提供しています。また『口唇口蓋裂?親の会』を開催し、疾患や治療に対する理解を深めることができるよう努めています。皮膚悪性腫瘍に対しては皮膚科、放射線科と共に治療にあたっています。また、良性腫瘍や脂肪腫などの外科的治療を行っており、近隣医療機関からの紹介は増加傾向にあります。
脳神経外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
010030xx9910xx 未破裂脳動脈瘤-手術なし-処置1:あり-処置2:なし-副病:0-0 50 3.12 2.95 0.00% 63.52
010010xx03x00x 脳腫瘍-頭蓋内腫瘍摘出術等-処置1:0-処置2:なし-副病:なし-0 45 17.58 20.70 2.22% 47.02
010010xx9900xx 脳腫瘍-手術なし-処置1:なし-処置2:なし-副病:0-0 34 16.03 11.20 17.65% 47.03
010030xx03x0xx 未破裂脳動脈瘤-脳血管内手術-処置1:0-処置2:なし-副病:0-0 20 8.85 8.94 0.00% 62.25
010010xx02x0xx 脳腫瘍-頭蓋内腫瘍摘出術+術中血管等描出撮影加算-処置1:0-処置2:なし-副病:0-0 19 20.00 21.16 0.00% 48.89
もっとも症例数の多かった未破裂脳動脈瘤検査では、将来的な血管内治療もしくは開頭手術への準備のため、全身状態を含めた周到な検査を行い、血管内チームと開頭手術チームを含め科内全体でのdiscussionを行い方針決定し、本人と家族への時間をかけた説明を行っている。そのためやや全国平均よりも入院日数が長くなっている(有意差にはならないと考えられる)。脳腫瘍及び未破裂脳動脈瘤に対して手術のみで治療が完結する場合には、術前の入院日数をできるだけ少なくし、また合併症を生じないような細心の注意を払った手術を行なっている。その結果入院日数は少なく早期退院が可能となっている。脳腫瘍に対しては、覚醒下手術?電気生理学的脳機能モニタリング?ニューロナビゲーションシステム?蛍光診断?蛍光血管撮影?術中血管撮影?術中CT等を駆使して、安全で確実な摘出術を行なっている。
呼吸器外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
040040xx97x00x 肺の悪性腫瘍-その他の手術あり-処置1:0-処置2:なし-副病:なし-0 164 10.84 9.89 0.00% 70.20
040040xx99200x 肺の悪性腫瘍-手術なし-処置1:2あり-処置2:なし-副病:なし-0 34 2.38 2.98 0.00% 73.03
040010xx01x0xx 縦隔悪性腫瘍、縦隔?胸膜の悪性腫瘍-縦隔悪性腫瘍手術等-処置1:0-処置2:なし-副病:0-0 14 10.07 8.84 0.00% 56.64
040200xx01x00x 気胸-肺切除術等-処置1:0-処置2:なし-副病:なし-0 14 12.21 9.54 0.00% 41.50
040110xxxxx0xx 間質性肺炎-手術なし-処置1:0-処置2:なし-副病:0-0 - - 18.65 - -
心臓血管外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
050210xx97000x 徐脈性不整脈-手術あり-処置1:なし、1,3あり-処置2:なし-副病:なし-0 81 3.10 9.77 1.23% 74.05
050163xx03x0xx 非破裂性大動脈瘤、腸骨動脈瘤-ステントグラフト内挿術-処置1:0-処置2:なし-副病:0-0 67 7.64 10.42 1.49% 76.52
050080xx0101xx 弁膜症(連合弁膜症を含む。)-ロス手術(自己肺動脈弁組織による大動脈基部置換術)等-処置1:なし-処置2:1あり-副病:0-0 53 17.40 21.52 1.89% 65.83
050170xx03000x 閉塞性動脈疾患-動脈塞栓除去術 その他のもの(観血的なもの)等-処置1:なし、1あり-処置2:なし-副病:なし-0 41 4.54 5.21 0.00% 72.02
050161xx97x1xx 大動脈解離-その他の手術あり-処置1:0-処置2:1あり-副病:0-0 27 35.37 28.09 22.22% 62.81
小児外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
060160x101xxxx 鼠径ヘルニア(15歳未満)-ヘルニア手術 鼠径ヘルニア等-処置1:0-処置2:0-副病:0-0 94 3.00 2.75 0.00% 3.97
060170xx02xx0x 閉塞、壊疽のない腹腔のヘルニア-ヘルニア手術 腹壁瘢痕ヘルニア等-処置1:0-処置2:0-副病:なし-0 22 3.00 6.86 0.00% 2.45
140590xx97xxxx 停留精巣-手術あり-処置1:0-処置2:0-副病:0-0 17 3.00 2.97 0.00% 2.12
11022xxx01xxxx 男性生殖器疾患-精索捻転手術等-処置1:0-処置2:0-副病:0-0 13 3.00 3.69 0.00% 4.62
060150xx03xxxx 虫垂炎-虫垂切除術 虫垂周囲膿瘍を伴わないもの等-処置1:0-処置2:0-副病:0-0 12 4.17 5.29 0.00% 10.58
眼科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
020110xx97xxx1 白内障、水晶体の疾患-手術あり-処置1:0-処置2:0-副病:0-両眼 922 3.03 4.46 0.00% 75.57
020110xx97xxx0 白内障、水晶体の疾患-手術あり-処置1:0-処置2:0-副病:0-片眼 587 3.18 2.54 0.00% 70.63
020220xx01xxx0 緑内障-緑内障手術 濾過手術-処置1:0-処置2:0-副病:0-片眼 264 5.58 8.70 0.00% 67.46
020220xx97xxx0 緑内障-その他の手術あり-処置1:0-処置2:0-副病:0-片眼 241 4.27 4.82 0.00% 70.79
020160xx97xxx0 網膜剥離-手術あり-処置1:0-処置2:0-副病:0-片眼 172 4.58 7.81 0.00% 57.21
当科は緑内障、白内障、網膜?硝子体疾患、角膜?屈折矯正、斜視?神経眼科等、幅広い眼疾患に対して各分野に熟練した専門医を擁し高度な医療を提供しております。白内障?緑内障手術をはじめ、各分野ともに多くの症例数と高い治療水準を誇ります。入院される患者様の多くは手術目的であり、いずれの手術もクリニカルパスを導入しており、全国平均よりも短い入院日数での手術加療が可能となっています。重症度や緊急性の高い患者様の診断?治療を迅速、的確かつ安全に行い、症状が安定した患者様は地域の医療機関で経過観察を受けて頂けるよう病診連携にも力を入れ、患者様の通院や外来待ち時間の負担を軽減できるように努めております。
耳鼻咽喉科?頭頸部外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
030400xx99xxxx 前庭機能障害-手術なし-処置1:0-処置2:0-副病:0-0 129 3.19 4.73 0.00% 52.93
030230xxxxxxxx 扁桃、アデノイドの慢性疾患-手術なし-処置1:0-処置2:0-副病:0-0 121 7.27 7.53 0.00% 18.41
030350xxxxxxxx 慢性副鼻腔炎-手術なし-処置1:0-処置2:0-副病:0-0 100 5.32 6.02 0.00% 56.65
030150xx97xxxx 耳?鼻?口腔?咽頭?大唾液腺の腫瘍-手術あり-処置1:0-処置2:0-副病:0-0 83 7.31 6.74 1.20% 56.81
03001xxx0200xx 頭頸部悪性腫瘍-頸部悪性腫瘍手術等-処置1:なし-処置2:なし-副病:0-0 64 14.94 12.84 0.00% 68.42
脳神経内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
010060x2990201 脳梗塞(脳卒中発症3日目以内、かつ、JCS10未満)-手術なし-処置1:なし-処置2:2あり-副病:なし-発症前Rankin Scale 0、1又は2 34 15.32 15.57 8.82% 66.62
010080xx99x0x1 脳脊髄の感染を伴う炎症-手術なし-処置1:0-処置2:なし-副病:0-15歳以上 30 18.07 16.56 13.33% 49.87
010040x099010x 非外傷性頭蓋内血腫(非外傷性硬膜下血腫以外)(JCS10未満)-手術なし-処置1:なし-処置2:あり-副病:なし-0 26 33.39 26.39 76.92% 67.92
010060x2990401 脳梗塞(脳卒中発症3日目以内、かつ、JCS10未満)-手術なし-処置1:なし-処置2:4あり-副病:なし-発症前Rankin Scale 0、1又は2 23 17.52 15.70 21.74% 65.09
010040x099000x 非外傷性頭蓋内血腫(非外傷性硬膜下血腫以外)(JCS10未満)-手術なし-処置1:なし-処置2:なし-副病:なし-0 22 23.32 19.09 72.73% 66.14
脳神経内科では疾患としては、脳梗塞や脳出血、髄膜炎や脳炎、ギラン?バレー症候群をはじめとする免疫介在性ニューロパチー、多発性硬化症などの自己免疫性神経難病、てんかん重積発作などの救急病態、パーキンソン病や筋萎縮性側索硬化症(ALS)と言った神経変性疾患まで、非常に広範囲の患者相を拝見しております。そして当科が診る症状は歩行障害、運動麻痺、感覚障害、頭痛、めまい、しびれ、認知症、意識障害など多岐に渡りますので、様々な症状の原因を調べ診断をつけることも当科の特長です。
?脳梗塞について
脳梗塞は、脳の血管がつまって生じる疾患です。血管がつまる3大原因として、動脈硬化、心臓の不整脈(心房細動)、高血圧があり、それぞれアテローム血栓性梗塞、心原性脳塞栓症、ラクナ梗塞と呼ばれる脳梗塞の3大病型の原因になります。脳梗塞は病型ごとに発症予防、再発予防が違うため、きちんと診断することが大切です。また脳梗塞発症から4.5時間以内であれば血栓を溶かす治療(血栓溶解療法)を受けられる可能性があります。また発症後24時間以内であればカテーテルにより血栓を取り除く血管内治療を受けられる可能性もあります。とにかく早く受診していただく事が大切ですので救急隊への連絡を躊躇すべきではありません。これらの再還流療法を受けた約4割の方が、軽度の後遺症のみ残存、または後遺症なく退院しています。脳梗塞を疑う症状としては、①半側の顔の麻痺 ②呂律の回りにくさ?言葉の出にくさ ③片側の手足の動かしにくさ、でして、これらのうちのひとつでも新規に出現した場合は脳卒中を疑って医療機関を受診すべきです。
?脳出血について
脳出血は、脳の血管が破れて血腫と呼ばれる血の塊が脳の中に出来る疾患です。高血圧が最大の発症原因で、未治療の高血圧を有する中高年にこの疾患は多く見られます。脳梗塞より重症者が多く、血腫拡大を防ぐ保存的な治療とリハビリテーションが主体となります。大量飲酒も脳出血の原因になりますので、特に高血圧を有する場合は大量飲酒を避けるべきです。
?免疫介在性/炎症性ニューロパチーについて
「免疫介在性/炎症性ニューロパチー」は聞きなれない疾患名ですが、脳と顔面?手足をつなぐ電気のコード(末梢神経)が、自分の体で作られた蛋白(抗体)により障害を生じる病態です。急性と慢性のタイプがあります。急性タイプは風邪や下痢になった約1週間あとから手足の力が日に日に入らなくなるギラン?バレー症候群と呼ばれる疾患です。重症では呼吸や飲み込みも障害され命にかかわります。慢性タイプは四肢の痺れと脱力が何度も繰り返し生じる慢性炎症性脱髄性ポリニューロパチー(CIDP)と呼ばれる疾患です。昔は有効な治療法がありませんでしたが、現在は早期の点滴治療(免疫グロブリン大量療法やステロイド)や血漿交換が効果を示します。これらの疾患も早期の治療が大切です。
?多発性硬化症は、中枢神経における電気のコードに当たる髄鞘が、自分自身の免疫により攻撃され障害される疾患です。脳神経細胞の存在する領域ならどこでも症状の出現する可能性があり、視神経や脳?脊髄のあちこちが多発性に何度も障害されるのが特徴です。若い年齢から発症し、何度も繰り返すと後遺症が積み重なり寝たきりとなってしましますが、最近では早期に疾患修飾薬を導入することで、予後を大幅に改善できるようになりました。
?脳脊髄の感染を伴う炎症は、具体的には脳炎や髄膜炎、脊髄炎といった疾患の総称です。感染に伴い脳や脊髄の組織が侵害され、様々な症状を呈します。感染の原因にはウイルス性、細菌性、結核性、真菌性などがあり、速やかな入院精査で原因を解明し、抗生剤や抗ウイルス剤など適切な治療を施すことが大切です。
皮膚科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
080020xxxxxxxx 帯状疱疹-手術なし-処置1:0-処置2:0-副病:0-0 120 8.00 9.29 0.00% 65.18
080010xxxx0xxx 膿皮症-手術なし-処置1:なし-処置2:0-副病:0-0 64 15.39 12.88 0.00% 64.86
080006xx01x0xx 皮膚の悪性腫瘍(黒色腫以外)-皮膚悪性腫瘍切除術等-処置1:0-処置2:なし-副病:0-0 56 3.63 7.22 1.79% 79.18
080007xx010xxx 皮膚の良性新生物-皮膚、皮下腫瘍摘出術(露出部)等-処置1:なし-処置2:0-副病:0-0 26 2.31 3.93 0.00% 46.62
080090xxxxxxxx 紅斑症-手術なし-処置1:0-処置2:0-副病:0-0 21 19.24 9.94 0.00% 65.57
皮膚科では髄膜炎や眼症状、聴神経や顔面神経や運動神経などの神経麻痺症状を合併した帯状疱疹の患者様や、悪性腫瘍などの免疫低下状態に合併した重症帯状疱疹患者様を入院で加療しています。次いで、糖尿病、膠原病、血管炎などの全身疾患による易感染性を持つ患者様に発症することの多い皮膚の急性膿皮症の患者様の治療を行っています。さらに、悪性黒色腫、基底細胞癌、皮膚扁平上皮癌、乳房外パジェット病、毛包や皮膚汗腺由来悪性腫瘍などの皮膚悪性腫瘍の外科的な腫瘍摘出術や植皮術を積極的に行っています。皮膚悪性腫瘍の治療件数は神奈川県内で最大規模です。また、外来での切除が困難な粉瘤や外毛根鞘性嚢腫や脂肪腫などの皮膚良性腫瘍や、将来的に悪性腫瘍発生の可能性がある脂腺母斑や色素性母斑などの皮膚良性腫瘍の患者様の外科的な腫瘍摘出術を入院で行っています。
泌尿器科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
110420xx02xxxx 水腎症等-経尿道的尿管ステント留置術等-処置1:0-処置2:0-副病:0-0 128 2.90 4.02 1.56% 65.05
110070xx99x20x 膀胱腫瘍-手術なし-処置1:0-処置2:2あり-副病:なし-0 107 7.67 9.06 0.00% 72.32
110080xx9907xx 前立腺の悪性腫瘍-手術なし-処置1:なし-処置2:7あり-副病:0-0 87 4.02 4.06 0.00% 71.57
110080xx991xxx 前立腺の悪性腫瘍-手術なし-処置1:あり-処置2:0-副病:0-0 87 2.03 2.44 0.00% 70.33
11001xxx01x0xx 腎腫瘍-腎(尿管)悪性腫瘍手術等-処置1:0-処置2:なし-副病:0-0 84 8.56 10.08 0.00% 63.01
泌尿器科では前立腺がん、膀胱がん、腎がんなど泌尿器がんの治療に積極的に取り組んでおります。そのため、これらの治療を目的に受診される患者数が上位を占めています。早期の泌尿器がんに対しては内視鏡手術やロボット支援手術、放射線療法による低侵襲治療を、進行がんに対しては新規承認薬剤を駆使した集学的治療を行うなど、個々の患者様の病態およびQOLを重視したニーズに合わせた治療法が選択できる体制を整えております。近年、前立腺がんの診断、治療の要望も増加しており、診断に際して、経直腸的生検で診断が困難な場合は、MRI画像融合法法を含む経会陰的生検も取り入れ、診断の精度向上に努めております。また泌尿器疾患のみならず、婦人科や外科疾患等への緊急対応として、尿路結石や腫瘍、狭窄などによる尿管通過障害となる水腎症に対し、閉塞の解除を目的に緊急尿管ステント留置術を施行する患者様も多くなっています。
産科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
120180xx01xxxx 胎児及び胎児付属物の異常-子宮全摘術等-処置1:0-処置2:0-副病:0-0 152 10.70 9.34 0.00% 34.98
120170x101xxxx 早産、切迫早産(妊娠週数34週未満)-子宮破裂手術等-処置1:0-処置2:0-副病:0-0 32 42.59 36.14 0.00% 32.72
120170x001xxxx 早産、切迫早産(妊娠週数34週以上)-子宮破裂手術等-処置1:0-処置2:0-副病:0-0 27 11.11 13.94 3.70% 32.70
120180xx02xxxx 胎児及び胎児付属物の異常-骨盤位娩出術等-処置1:0-処置2:0-副病:0-0 26 5.81 7.99 0.00% 35.96
120140xxxxxxxx 流産-手術なし-処置1:0-処置2:0-副病:0-0 22 3.18 2.43 0.00% 35.27
当科は神奈川県周産期救急システムの基幹病院の役目を担います。県央?北相地区(相模原市?座間市?大和市?海老名市?綾瀬市?寒川町)のお母さんと赤ちゃんの最後の砦となり地域の医療機関や救急隊から周産期救急疾患の紹介や搬送を受入れています。切迫早産や前置胎盤、妊娠高血圧症候群となった症例を受け入れ管理します。また、胎児診断にも注力しており出生直後より小児科と連携をして管理しなければならない症例(先天性心疾患をはじめ消化管閉鎖、横隔膜ヘルニア、脊髄髄膜瘤、甲状腺腫、腎尿路疾患、骨系統疾患、代謝性疾患、血液疾患、口唇口蓋裂、など)を多岐に渡り診断します。NICUや小児外科、心臓血管外科等専門各科と連携した診療が特徴です。また昨今の晩婚化や晩産化は高齢妊娠、高齢出産の増加と直接結び付き、増加した合併症妊娠などハイリスク妊婦の妊娠?分娩管理も積極的に受け入れています。以上により上記のような入院が増えています。
婦人科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
12002xxx01x0xx 子宮頸?体部の悪性腫瘍-子宮悪性腫瘍手術等-処置1:0-処置2:なし-副病:0-0 135 8.59 10.10 0.00% 56.04
12002xxx99x40x 子宮頸?体部の悪性腫瘍-手術なし-処置1:0-処置2:4あり-副病:なし-0 128 4.76 4.18 0.00% 61.60
120060xx02xxxx 子宮の良性腫瘍-腹腔鏡下腟式子宮全摘術等-処置1:0-処置2:0-副病:0-0 66 5.76 5.93 0.00% 45.15
120010xx01x0xx 卵巣?子宮附属器の悪性腫瘍-子宮附属器悪性腫瘍手術(両側)等-処置1:0-処置2:なし-副病:0-0 47 13.02 11.76 0.00% 58.89
120070xx02xxxx 卵巣の良性腫瘍-卵巣部分切除術(腟式を含む。) 腹腔鏡によるもの等-処置1:0-処置2:0-副病:0-0 46 6.54 6.00 0.00% 47.20
婦人科には腫瘍分野と生殖医学分野があります。腫瘍分野では子宮頸がん、子宮体がん、卵巣がんなどの悪性腫瘍に対して、正確な診断を行い、手術療法、化学療法、放射線療法などの治療を行っています。子宮頸がん、子宮体がんに対する低侵襲手術(腹腔鏡下手術、ロボット支援下手術)に積極的に取り組んでおり、良性腫瘍に対するものも含めて低侵襲手術症例数が飛躍的に増加しています。婦人科良性?悪性腫瘍に罹患された患者さんに対して、適応を見極めた上で患者さんとご家族に腹腔鏡でもロボット支援手術でも開腹手術でも適切な術式を提案し、希望する術式をどれでも提供できる体制を整えています。生殖医学分野では、不妊症、婦人科内分泌異常の治療、子宮内膜症、子宮筋腫、卵巣嚢腫など良性疾患に対する保存的治療や腹腔鏡下手術、異所性妊娠に対する薬物療法などを行っています。
呼吸器内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
040040xx99040x 肺の悪性腫瘍-手術なし-処置1:なし-処置2:4あり-副病:なし-0 172 9.87 8.33 0.58% 69.84
040040xx99200x 肺の悪性腫瘍-手術なし-処置1:2あり-処置2:なし-副病:なし-0 141 2.65 2.98 0.71% 71.72
040110xxxxx0xx 間質性肺炎-手術なし-処置1:0-処置2:なし-副病:0-0 88 17.92 18.65 3.41% 73.99
040040xx9905xx 肺の悪性腫瘍-手術なし-処置1:なし-処置2:5あり-副病:0-0 80 18.98 18.83 0.00% 72.70
040040xx9900xx 肺の悪性腫瘍-手術なし-処置1:なし-処置2:なし-副病:0-0 78 17.92 13.59 7.69% 72.95
呼吸器内科では肺癌化学療法導入のための入院が最も多くなっています。通常、肺癌の病理診断、病期診断のための気管支内視鏡検査や画像検査は、リスクが少ない場合には外来で行います。局麻下胸腔鏡や、患者負担軽減のための鎮静化での気管支鏡は短期間の検査入院で行うことがあります。肺癌と診断され治療として化学療法が選択された場合、副作用などを確認するため初回治療は主に入院で行います。免疫チェックポイント阻害薬と細胞障害性抗癌薬の併用、免疫チェックポイント阻害薬単剤、分子標的薬内服治療など、標準治療を中心に臨床試験や治験も行っています。2回目以降の治療は副作用が管理可能であれば外来で行うことがあります。脳転移や骨転移の症状緩和目的に放射線治療を入院で行うことがあります。また、手術が困難な症例では胸部への放射線治療(単独、もしくは、化学療法との併用)を行うことがあり、5~6週間連日著量となることがあるため、長期の入院で行う場合があります。間質性肺炎は外来で抗線維化薬内服で治療しますが、急激に悪化(急性増悪)した場合は予後不良であり、入院の上、ステロイド大量療法や免疫抑制剤の投与を行います。改善した場合も呼吸不全に対して酸素療法の導入が必要なことが多く、療養のため転院が必要になることがあります。
循環器内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
050070xx01x0xx 頻脈性不整脈-経皮的カテーテル心筋焼灼術-処置1:0-処置2:なし-副病:0-0 406 4.70 4.57 0.00% 64.79
050050xx0200xx 狭心症、慢性虚血性心疾患-経皮的冠動脈形成術等-処置1:なし、1,2あり-処置2:なし-副病:0-0 109 4.30 4.26 0.92% 70.83
050080xx99100x 弁膜症(連合弁膜症を含む。)-手術なし-処置1:1あり-処置2:なし-副病:なし-0 107 5.16 5.32 0.00% 73.46
050210xx97000x 徐脈性不整脈-手術あり-処置1:なし、1,3あり-処置2:なし-副病:なし-0 89 9.27 9.77 0.00% 75.74
050030xx97000x 急性心筋梗塞(続発性合併症を含む。)、再発性心筋梗塞-その他の手術あり-処置1:なし、1あり-処置2:なし-副病:なし-0 67 11.24 11.54 0.00% 68.63
第一位は頻脈性不整脈に対するカテーテル治療です。薬物抵抗性の不整脈、あるいは心房細動に対する肺静脈隔離術の需要の増加などを背景にカテーテルによる治療が必要な患者が増加してきています。当科では不整脈に対する侵襲的治療を数多く行っています。
第二位と第五位は狭心症や急性心筋梗塞などの虚血性心疾患患者です。慢性冠動脈疾患患者の冠動脈インターベンション治療の適応は、生理的狭窄か否かを判断する診断法を用いて厳格に判断した上で経皮的冠動脈形成術を施行しています。
第三位は弁膜症です。高齢化を背景に、大動脈弁狭窄症や僧帽弁閉鎖不全症など弁膜症による患者の検査?治療共に増加傾向にあります。
第四位の徐脈性不整脈の治療は従来の植え込み型ペースメーカーとカテーテルによるリードレスペースメーカーなどを含む治療法になります。
腎臓内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
110280xx9900xx 慢性腎炎症候群?慢性間質性腎炎?慢性腎不全-手術なし-処置1:なし-処置2:なし-副病:0-0 78 6.96 11.49 1.28% 43.24
110280xx991xxx 慢性腎炎症候群?慢性間質性腎炎?慢性腎不全-手術なし-処置1:あり-処置2:0-副病:0-0 57 12.58 6.44 0.00% 45.37
110280xx9901xx 慢性腎炎症候群?慢性間質性腎炎?慢性腎不全-手術なし-処置1:なし-処置2:1あり-副病:0-0 41 16.17 13.81 4.88% 67.54
110260xx99x0xx ネフローゼ症候群-手術なし-処置1:0-処置2:なし-副病:0-0 25 24.68 19.94 0.00% 47.52
110260xx99x3xx ネフローゼ症候群-手術なし-処置1:0-処置2:3あり-副病:0-0 21 3.19 4.65 0.00% 38.29
救急科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
161070xxxxx00x 薬物中毒(その他の中毒)-手術なし-処置1:0-処置2:なし-副病:なし-0 106 2.93 3.62 0.00% 33.70
161070xxxxx1xx 薬物中毒(その他の中毒)-手術なし-処置1:0-処置2:1あり-副病:0-0 20 4.25 8.53 5.00% 45.70
010230xx99x10x てんかん-手術なし-処置1:0-処置2:1あり-副病:なし-0 19 18.05 12.32 36.84% 66.16
160100xx99x00x 頭蓋?頭蓋内損傷-手術なし-処置1:0-処置2:なし-副病:なし-0 18 6.72 8.38 11.11% 29.78
010230xx99x00x てんかん-手術なし-処置1:0-処置2:なし-副病:なし-0 17 14.41 7.19 23.53% 59.41
救命救急?災害医療センターは、3次救急施設として重症の救急患者を受け入れています。2023年度の患者数は2,517人、重篤患者1,821人、心肺停止患者591人、重症外傷患者216人でした。疾患群分類では、急性薬物中毒が最も多く、背景には精神疾患や自殺企図の問題があり、精神科の診療が必要となります。重症の場合、人工呼吸管理などの集中治療管理が必要になりますが、多くの患者は集中治療管理を要することなく短期間で回復し退院となります。外傷患者の中では頭蓋?頭蓋内損傷が最も多く、外傷による頭蓋内出血や脳挫傷等で入院となり、保存治療となる場合が多いですが、重症の場合は開頭手術となることがあります。内因性疾患では、急性心筋梗塞や脳卒中(クモ膜下出血、脳出血、脳梗塞)、肺炎、敗血症などの患者が多いですが、てんかん重積で搬送となる患者が増加しており、重症の場合、人工呼吸管理下の集中治療が必要となります。
血液内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
130010xx97x2xx 急性白血病-手術あり-処置1:0-処置2:2あり-副病:0-0 52 35.52 36.15 0.00% 57.13
130030xx99x9xx 非ホジキンリンパ腫-手術なし-処置1:0-処置2:9あり-副病:0-0 52 24.02 12.88 0.00% 69.48
130030xx99x3xx 非ホジキンリンパ腫-手術なし-処置1:0-処置2:3あり-副病:0-0 40 10.40 14.70 0.00% 64.45
130030xx97x50x 非ホジキンリンパ腫-手術あり-処置1:0-処置2:5あり-副病:なし-0 35 35.54 29.83 2.86% 58.83
130030xx99x4xx 非ホジキンリンパ腫-手術なし-処置1:0-処置2:4あり-副病:0-0 32 9.56 9.62 6.25% 66.38
当科は相模原?神奈川県央?東京多摩地域の一部を主な医療圏として診療を行っています。病棟には造血幹細胞移植も可能な無菌室を備えており、急性白血病や再発難治悪性リンパ腫など強力化学療法の必要な患者さんの診療に力を入れており、周辺の病院と連携しながら医療圏の中核病院として診療を行っています。
消化器内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
060340xx03x00x 胆管(肝内外)結石、胆管炎-限局性腹腔膿瘍手術等-処置1:0-処置2:なし-副病:なし-0 207 5.39 8.75 4.35% 73.27
060020xx04xxxx 胃の悪性腫瘍-内視鏡的胃、十二指腸ポリープ?粘膜切除術-処置1:0-処置2:0-副病:0-0 168 7.29 7.61 0.00% 74.92
060050xx97x0xx 肝?肝内胆管の悪性腫瘍(続発性を含む。)-その他の手術あり-処置1:0-処置2:なし-副病:0-0 116 9.08 10.24 1.72% 71.60
060100xx01xxxx 小腸大腸の良性疾患(良性腫瘍を含む。)-内視鏡的大腸ポリープ?粘膜切除術-処置1:0-処置2:0-副病:0-0 109 5.28 2.61 0.00% 65.91
06007xxx9910xx 膵臓、脾臓の腫瘍-手術なし-処置1:あり-処置2:なし-副病:0-0 94 2.80 4.24 0.00% 70.94
当科は数多くの膵臓がんや胆道がんの内視鏡的診断ならびに処置を行い、初診後可能なかぎり早期に適切な治療が行える体制を確立しています。内科的治療の継続が必要になった場合には、胆膵領域を専門とするチームにおいて、いつでもすぐに処置が行える体制ができています。一方、胆膵領域における良性疾患(排石困難な巨大結石、難治性の良性胆管狭窄、膵炎後の膿瘍形成)に対しても、侵襲度の低い内視鏡的治療を積極的に行い、患者さんへの負担を軽減しています。早期の消化管がん(食道、胃、大腸)に対しては内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)を行っています。大きな病変でも一括切除を行うことで遺残再発がない確実な治療を行えることが利点であり、周辺施設から多くの患者様の紹介を受け入れています。
一般?消化器外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
060020xx02xxxx 胃の悪性腫瘍-胃切除術 悪性腫瘍手術等-処置1:0-処置2:0-副病:0-0 103 16.52 18.01 0.00% 70.04
060035xx010x0x 結腸(虫垂を含む。)の悪性腫瘍-結腸切除術 全切除、亜全切除又は悪性腫瘍手術等-処置1:なし-処置2:0-副病:なし-0 89 13.97 15.12 0.00% 69.73
060050xx02xxxx 肝?肝内胆管の悪性腫瘍(続発性を含む。)-肝切除術 部分切除等-処置1:0-処置2:0-副病:0-0 50 12.98 14.28 0.00% 65.16
06007xxx010xxx 膵臓、脾臓の腫瘍-膵頭部腫瘍切除術 血行再建を伴う腫瘍切除術の場合等-処置1:なし-処置2:0-副病:0-0 42 16.91 24.37 0.00% 65.69
060040xx0200xx 直腸肛門(直腸S状部から肛門)の悪性腫瘍-肛門悪性腫瘍手術 切除等-処置1:なし-処置2:なし-副病:0-0 31 13.45 14.80 0.00% 66.06
一般?消化器外科では、患者様の多くは消化器癌(胃癌、大腸がん、膵癌、肝臓がんなど)に対する手術治療を目的に入院されています。当科全体の2023年度の年間手術件数は950件でした。上部消化管外科、下部消化管外科、肝胆膵外科の3部門に分かれ、ロボット手術を含めた低侵襲治療である内視鏡外科手術など、専門性の高い高度な医療を提供することで、治療成績および安全性の向上に努めています。その結果、平均在院日数は全国平均と比較して短くなっております。また、高度進行消化器癌に対しては、消化器内科、放射線科などと連携した集学的治療に取り組んでおり、多くの併存疾患を抱えた困難症例に対しても、他職種との連携によるチーム医療を通して治療を実践しております。
リウマチ膠原病?感染内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
070560xx99x00x 重篤な臓器病変を伴う全身性自己免疫疾患-手術なし-処置1:0-処置2:なし-副病:なし-0 119 17.86 14.23 0.00% 56.10
070470xx99x0xx 関節リウマチ-手術なし-処置1:0-処置2:なし-副病:0-0 54 9.78 15.40 0.00% 66.24
040110xxxxx0xx 間質性肺炎-手術なし-処置1:0-処置2:なし-副病:0-0 37 13.70 18.65 0.00% 68.57
070560xx97xxxx 重篤な臓器病変を伴う全身性自己免疫疾患-手術あり-処置1:0-処置2:0-副病:0-0 37 43.24 34.37 0.00% 64.19
070470xx99x3xx 関節リウマチ-手術なし-処置1:0-処置2:3あり-副病:0-0 22 6.82 13.99 0.00% 63.14
乳腺?甲状腺外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
090010xx010xxx 乳房の悪性腫瘍-乳腺悪性腫瘍手術 乳房部分切除術(腋窩部郭清を伴うもの(内視鏡下によるものを含む。))等-処置1:なし-処置2:0-副病:0-0 264 10.59 9.88 0.38% 61.23
090010xx02xxxx 乳房の悪性腫瘍-乳腺悪性腫瘍手術 乳房部分切除術(腋窩部郭清を伴わないもの)-処置1:0-処置2:0-副病:0-0 107 8.07 5.64 0.00% 57.94
100020xx010xxx 甲状腺の悪性腫瘍-甲状腺悪性腫瘍手術 切除(頸部外側区域郭清を伴わないもの)等-処置1:なし-処置2:0-副病:0-0 66 6.21 7.94 0.00% 53.05
100130xx97x0xx 甲状腺の良性結節-手術あり-処置1:0-処置2:なし-副病:0-0 54 6.06 7.00 0.00% 51.35
100140xx97xxxx 甲状腺機能亢進症-手術あり-処置1:0-処置2:0-副病:0-0 36 7.94 8.84 0.00% 42.89
糖尿病?内分泌代謝内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
10007xxxxxx1xx 2型糖尿病(糖尿病性ケトアシドーシスを除く。)-手術なし-処置1:0-処置2:1あり-副病:0-0 144 15.56 13.99 0.00% 62.92
10006xxxxxx1xx 1型糖尿病(糖尿病性ケトアシドーシスを除く。)-手術なし-処置1:0-処置2:1あり-副病:0-0 30 18.40 13.31 0.00% 48.30
10007xxxxxx0xx 2型糖尿病(糖尿病性ケトアシドーシスを除く。)-手術なし-処置1:0-処置2:なし-副病:0-0 17 11.53 10.66 0.00% 61.12
10008xxxxxx1xx その他の糖尿病(糖尿病性ケトアシドーシスを除く。)-手術なし-処置1:0-処置2:1あり-副病:0-0 16 15.38 19.00 0.00% 63.06
100202xxxxxx0x その他の副腎皮質機能低下症-手術なし-処置1:0-処置2:0-副病:なし-0 16 11.31 9.10 6.25% 55.06
初発の5大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数ファイルをダウンロード
初発 再発 病期分類
基準(※)
版数
Stage I Stage II Stage III Stage IV 不明
胃癌 232 27 34 59 46 39 1 8
大腸癌 61 47 84 65 123 63 2 9
乳癌 147 154 63 19 24 33 1 8
肺癌 98 40 125 221 287 275 1 8
肝癌 16 29 13 27 52 135 2 6
※ 1:UICC TNM分類,2:癌取扱い規約
成人市中肺炎の重症度別患者数等ファイルをダウンロード
患者数 平均
在院日数
平均年齢
軽症 18 14.89 53.28
中等症 75 16.36 71.85
重症 31 21.81 78.42
超重症 17 20.82 76.76
不明 - - -
成人市中肺炎では、中等症以上での入院が多くなっています。軽症では、多くは外来で治療を行いますが、肺癌などの呼吸器疾患や基礎疾患がある場合には入院となることもあります。中等症以上では、肺癌、慢性閉塞性肺疾患、間質性肺炎などの呼吸器疾患や他臓器疾患を有する場合が多く、呼吸不全(低酸素血症)や年齢などの単独リスクで入院となることも少なくありません。超重症ではICU管理を行っています。重症以上では在院日数が長くなる傾向にあります。また、重症?超重症例の平均年齢は軽症例よりも高齢となっています。博狗体育在线_狗博体育直播【官方授权网站】@感染に伴う肺炎で入院することもあります。
脳梗塞の患者数等ファイルをダウンロード
発症日から 患者数 平均在院日数 平均年齢 転院率
3日以内 244 28.83 74.04 42.37%
その他 18 18.11 65.89 1.91%
脳梗塞の患者の大部分は発症3日以内に入院し治療を受けます。その他、脳梗塞の症状が軽微なために受診が遅れた場合は、頭部のCTやMRIを施行した際に偶然発見された脳梗塞の場合、原因を調べるために発症後3日以降に入院する場合もあります。脳梗塞の原因は、心臓の不整脈(心房細動など)や動脈硬化、高血圧が主体で、それぞれ対策や予防法が異なります。その他にも癌に伴って血液が固まりやすくなり脳梗塞を発症することもあります。下肢にできた血の塊が心臓の隔壁の穴を通って脳に到達し脳梗塞を発症したり、また肺の動脈と静脈のシャントを通って脳の血管が詰まって脳梗塞を発症したりすることもあります。脳梗塞にはこのような様々な原因があるため、入院して精密検査を行い、そして最適な予防法を見つけます。
診療科別主要手術別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)ファイルをダウンロード
小児科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K9131 新生児仮死蘇生術(仮死第1度) 39 0.00 46.90 10.26% 0.00
K9132 新生児仮死蘇生術(仮死第2度) 17 0.00 58.00 5.88% 0.00
K667-2 腹腔鏡下噴門形成術 - - - - -
K2762 網膜光凝固術(その他特殊なもの(一連につき)) - - - - -
K386 気管切開術 - - - - -
小児科では主に内科疾患を治療している中で、新生児仮死の蘇生はDPC上では手術として扱われております。当地域において、重症な新生児を診療できる施設として当院は基幹病院となっており、地域の周産期医療体制を担っております。
整形外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K0821 人工関節置換術(股) etc. 338 2.11 19.04 21.60% 69.44
K1426 脊椎固定術、椎弓切除術、椎弓形成術(椎弓形成) 91 2.92 19.77 14.29% 67.85
K1423 脊椎固定術、椎弓切除術、椎弓形成術(後方椎体固定) 47 3.51 24.94 27.66% 68.09
K093 手根管開放手術 37 0.32 3.19 0.00% 72.22
K142-21 脊椎側彎症手術(固定術) 37 1.95 22.14 21.62% 24.00
形成外科?美容外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K2191 眼瞼下垂症手術(眼瞼挙筋前転法) 61 0.00 1.00 0.00% 70.16
K0481 骨内異物(挿入物を含む。)除去術(顔面(複数切開を要するもの)) etc. 57 1.61 1.05 0.00% 28.67
K0072 皮膚悪性腫瘍切除術(単純切除) 49 1.10 10.94 0.00% 71.43
K2193 眼瞼下垂症手術(その他) 29 0.03 1.03 0.00% 66.83
K4442 下顎骨形成術(短縮の場合) etc. 28 1.50 3.50 0.00% 26.96
当科では形成外科疾患に対しオールラウンドに診療を充実するよう努め、腫瘍、手外科、マイクロサージャリー、熱傷、顎顔面、口唇口蓋裂、美容外科専門外来を設けています。
最近では加齢に伴う眼瞼下垂の手術が増えています。眼瞼挙筋前転法により機能的障害を改善するだけではなく、見た目の若返りや美しさを十分に考慮しながらそれぞれの患者さんに見合った手術を行っています。皮膚悪性腫瘍(悪性黒色腫、有棘細胞癌、基底細胞癌、乳房外Paget’s病、メルケル細胞癌等)に対して皮膚科、放射線科と共に治療にあたっています。また、脂肪腫などの軟部腫瘍摘出術、熱傷や潰瘍などの植皮術を必要とする治療も行っています。
顎変形症に対しては、口腔外科医?矯正歯科医と連携し自費診療を含めた治療を行っています。
脳神経外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K1692 頭蓋内腫瘍摘出術(その他) 88 5.05 26.94 2.27% 48.15
K1783 脳血管内手術(脳血管内ステント) 20 2.05 5.75 0.00% 66.85
K1781 脳血管内手術(1箇所) 19 1.58 5.84 0.00% 60.89
K609-2 経皮的頸動脈ステント留置術 18 2.00 5.06 0.00% 73.94
K171-21 内視鏡下経鼻的腫瘍摘出術(下垂体腫瘍) 16 3.00 12.19 0.00% 56.38
頭蓋内腫瘍摘出術は、覚醒下手術?電気生理学的脳機能モニタリング?ニューロナビゲーションシステム?蛍光診断?蛍光血管撮影?術中血管撮影?術中CT等を駆使して、安全で確実な摘出術を行っている。脳血管内治療は、経皮的頸動脈ステント留置術?未破裂及び破裂脳動脈瘤に対するコイル塞栓術?血栓回収療法による血行再建術?動静脈奇形や動静脈瘻に対する塞栓術?腫瘍に対する塞栓術等、極めて多種にわたる疾患に対して最新の機器を用いて迅速な治療対応を可能としている。内視鏡下経鼻的腫瘍摘出術では蛍光診断装置のついた解像度の高い内視鏡を用いることにより安全で正常下垂体機能を温存した手術を行うことができている。
呼吸器外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K514-23 胸腔鏡下肺悪性腫瘍手術(肺葉切除又は1肺葉を超えるもの) etc. 78 2.60 9.96 0.00% 71.19
K514-21 胸腔鏡下肺悪性腫瘍手術(部分切除) 36 2.00 5.06 0.00% 68.89
K514-22 胸腔鏡下肺悪性腫瘍手術(区域切除) etc. 24 2.04 6.92 0.00% 69.00
K5143 肺悪性腫瘍手術(肺葉切除又は1肺葉を超える) 18 2.83 8.78 0.00% 71.11
K513-4 胸腔鏡下肺縫縮術 11 7.18 6.18 0.00% 45.18
心臓血管外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K597-2 ペースメーカー交換術 53 1.00 1.04 1.89% 77.94
K5612? ステントグラフト内挿術(腹部大動脈) 48 1.04 6.48 4.17% 75.75
K616 四肢の血管拡張術?血栓除去術 46 0.46 2.85 2.17% 72.00
K5522 冠動脈、大動脈バイパス移植術(2吻合以上) 27 2.48 23.00 3.70% 62.59
K554-21 胸腔鏡下弁形成術(1弁のもの)(内視鏡手術用支援機器を用いて行った場合) etc. 17 3.77 11.06 0.00% 62.18
小児外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K6335 鼠径ヘルニア手術 81 1.00 1.00 0.00% 3.84
K6333 臍ヘルニア手術 21 1.00 1.00 0.00% 2.43
K836 停留精巣固定術 20 1.00 1.00 0.00% 2.20
K634 腹腔鏡下鼠径ヘルニア手術(両側) 15 1.00 1.00 0.00% 4.93
K718-21 腹腔鏡下虫垂切除術(虫垂周囲膿瘍を伴わないもの) 11 0.64 2.27 0.00% 10.27
眼科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K2821? 水晶体再建術(眼内レンズを挿入)(その他) 1403 1.05 1.03 0.00% 74.05
K2683 緑内障手術(濾過手術) 280 1.46 3.62 0.00% 67.68
K2684 緑内障手術(緑内障治療用インプラント挿入術)(プレートなし) 237 1.10 2.23 0.00% 71.90
K2801 硝子体茎顕微鏡下離断術(網膜付着組織を含む) 237 1.66 2.06 0.84% 61.75
K2682? 緑内障手術(流出路再建術)(眼内法) 171 1.04 1.11 0.00% 68.39
白内障手術に関しては従来から数多くの手術を実施しております。1回の入院(2泊3日)により両眼手術が可能であることが当院の特徴であり、術前後の通院回数の短縮など、患者様の負担を減らせるよう努めております。また薬物治療による眼圧下降効果が不十分で視野障害が進行する緑内障に対しての緑内障手術や網膜剥離、増殖糖尿病網膜症などの網膜疾患に対する硝子体手術ついても大変多くの症例数を誇ります。特に、緑内障手術については、流出路再建術眼内法や新しい術式であるマイクロシャントを眼外から挿入するプレートのない緑内障インプラント挿入術等の低侵襲緑内障手術の件数が年々増加傾向にあります。いずれの手術もクリニカルパスを導入し、全国平均よりも短い入院日数での手術加療が可能となり、患者様の早期の社会復帰に寄与しています。
耳鼻咽喉科?頭頸部外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K3772 口蓋扁桃手術(摘出) 114 1.55 5.18 0.00% 21.36
K340-5 内視鏡下鼻?副鼻腔手術3型(選択的(複数洞)副鼻腔手術) 89 1.49 2.94 0.00% 56.78
K309 鼓膜(排液、換気)チューブ挿入術 53 2.13 1.25 0.00% 4.79
K4571 耳下腺腫瘍摘出術(耳下腺浅葉摘出術) 28 2.21 4.86 3.57% 54.68
K3192 鼓室形成手術(耳小骨再建術) 23 1.09 6.13 0.00% 37.30
脳神経内科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K178-4 経皮的脳血栓回収術 52 0.12 36.33 59.62% 76.94
K664 胃瘻造設術(経皮的内視鏡下胃瘻造設術、腹腔鏡下胃瘻造設術を含む) 13 13.69 15.85 7.69% 77.69
K386 気管切開術 - - - - -
K7211 内視鏡的大腸ポリープ?粘膜切除術(長径2cm未満) - - - - -
K0811 人工骨頭挿入術(股) - - - - -
?経皮的脳血栓回収術
経皮的脳血栓回収術とは、脳梗塞を起こしている血管のつまり(血栓)に対して、脳梗塞発症早期にカテーテルを用いて詰まった血栓を取り除く治療です。発症後24時間以内であればこの治療を実施できる可能性があります。一方で発症の早い時間帯であっても時間が経過すると脳梗塞が拡大して治療効果が低くなります。そのため、できる限り早く血栓を取り除く必要があります。脚や腕の動脈からカテーテルを挿入し、造影剤で血管を撮影しながら脳の血管まで到達させます。症例によっては経皮的血栓回収術のみならず経皮的脳血管形成術を実施することもありますし、頸動脈狭窄に対して経皮的頸動脈ステント留置術という治療を行い大きな脳梗塞の発症を予防することもあります。これらの治療は脳神経内科と脳神経外科が協働して実施しています。
?胃瘻造設術
脳神経内科が担当する代表的疾患であるパーキンソン病や筋萎縮性側索硬化症(ALS)と言った神経疾患では、病期が進むと物が飲み込めなくなります。このため消化器科医と一緒に内視鏡下で胃と腹部の皮膚をつなぐ小さな穴(胃瘻と呼びます)を作り水分や流動食?薬を投与できるようにします。胃瘻は造設から抜糸まで1週間程度の入院を必要とします。
?気管切開術は喉に穴をあける手術です。脳神経内科の疾患であるギラン?バレー症候群や重症筋無力症など一時的に呼吸が障害される疾患や、多系統萎縮症の声帯麻痺、または人工呼吸器の装着が永続的に必要な神経疾患の症例に対して行います。この手術自体は当院では耳鼻咽喉科医が実施します。
皮膚科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K0072 皮膚悪性腫瘍切除術(単純切除) 75 0.37 2.99 1.33% 76.60
K013-21 全層植皮術(25cm2未満) 16 0.63 8.13 0.00% 79.50
K0062 皮膚、皮下腫瘍摘出術(露出部以外)(長径3cm以上6cm未満) 12 0.33 1.00 0.00% 44.33
K0051 皮膚、皮下腫瘍摘出術(露出部)(長径2cm未満) - - - - -
K0061 皮膚、皮下腫瘍摘出術(露出部以外)(長径3cm未満) - - - - -
皮膚科では悪性黒色腫、基底細胞癌、皮膚扁平上皮癌、乳房外パジェット病、毛包や皮膚汗腺由来悪性腫瘍などの皮膚悪性腫瘍の外科的な腫瘍摘出術や植皮術を積極的に行っています。皮膚悪性腫瘍の治療件数は神奈川県内で最大規模です。また、粉瘤や外毛根鞘性嚢腫や脂肪腫などの皮膚良性腫瘍や、将来的に悪性腫瘍発生の可能性がある脂腺母斑や色素性母斑などの皮膚良性腫瘍の患者様の外科的な腫瘍摘出術も積極的に行っています。
泌尿器科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K783-2 経尿道的尿管ステント留置術 143 0.18 2.18 1.40% 65.34
K8036? 膀胱悪性腫瘍手術(経尿道的手術)(電解質溶液利用) 135 1.62 5.00 0.74% 75.96
K843-4 腹腔鏡下前立腺悪性腫瘍手術(内視鏡手術用支援機器を用いる) 82 1.62 7.96 0.00% 67.52
K007-2 経皮的放射線治療用金属マーカー留置術 75 1.44 3.23 0.00% 73.25
K773-51 腹腔鏡下腎悪性腫瘍手術(内視鏡手術支援機器?7センチ以下) 62 1.29 6.26 0.00% 63.13
泌尿器科で最も多い手術は、尿管の通過障害に対する尿管ステント留置術です。尿路の通過障害は泌尿器疾患のみならず、婦人科や外科疾患等の様々な腹部疾患に起因します。腎盂からの尿流を確保することで、腎機能を温存するために行います。次いで、超高齢社会を反映し、泌尿器がんに対する手術が増加しております。膀胱がんに対しては、病期の診断、症状の改善、膀胱の温存治療が可能となる経尿道的手術が最も多くなっています。また、進行がんに対する根治術として、ロボット支援手術も積極的に行っております。前立腺がんに対する根治術として、ロボット支援手術が中心となっております。また、強度変調性放射線治療(IMRT)のための金属マーカー挿入術や密封小線源治療なども積極的に行っています。腎がん、特に小径腎癌の症例数が増加しております。本疾患に対するロボット支援腎部分切除術を積極的に行い、腎機能の温存に努めております。
産科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K8982 帝王切開術(選択帝王切開) 192 6.78 6.92 0.00% 34.52
K8981 帝王切開術(緊急帝王切開) 79 10.77 7.04 1.27% 33.86
K9061 子宮頸管縫縮術(マクドナルド法) 24 1.25 7.00 0.00% 35.54
K9091? 流産手術(妊娠11週まで)(手動真空吸引法) 12 1.42 0.25 0.00% 36.50
K6153 血管塞栓術(頭部、胸腔、腹腔内血管等)(その他) - - - - -
母体合併症妊娠や胎児疾患をもつハイリスク妊婦の妊娠?分娩管理を基幹病院として受け入れていること、地域の医療機関や救急隊から周産期救急疾患の紹介や搬送を受入れていることなどから当施設での年間分娩数(およそ900分娩)のうち3分の1は帝王切開での分娩となります。また、前回流産、早産を経験された患者様に対し予防的な子宮頸管縫縮術を行います。今回の妊娠で切迫流産や切迫早産となり分娩進行している患者様には治療的な子宮頸管縫縮術を行います。残念ながら妊娠が流産となった患者様には流産手術を施行いたします。さらに、産科危機的出血への対応として、放射線診断科の協力により血管塞栓術による治療を行っております。以上により上記のような入院が増えています。
婦人科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K877-2 腹腔鏡下腟式子宮全摘術 etc. 86 1.15 4.61 0.00% 51.81
K879-2 腹腔鏡下子宮悪性腫瘍手術(子宮体がんに限る。)(内視鏡手術用支援機器を用いて行った場合) etc. 69 1.57 4.46 0.00% 56.67
K8882 子宮附属器腫瘍摘出術(両側)(腹腔鏡によるもの) 57 0.97 3.74 0.00% 44.77
K877 子宮全摘術 51 1.57 7.98 0.00% 55.14
K889 子宮附属器悪性腫瘍手術(両側) 51 2.20 14.00 0.00% 57.35
婦人科 腫瘍分野と生殖医学分野両方で低侵襲手術(腹腔鏡下手術、ロボット支援下手術)に積極的に取り組んでおり、それらの症例数が増加しています。特に、子宮頸がん、子宮体がん、卵巣がんなどの悪性腫瘍に対する手術数の増加が著しいです。また、腹腔内全体に播種腫瘍が拡がる状態で発見される卵巣がんであるIII期?IV期卵巣がんに対しては、初回手術において肉眼的残存腫瘍なしを達成することで予後が大きく改善されることが明らかになっています。腹膜播種病変を有する進行卵巣がん手術において、残存腫瘍なしを達成するためには、60~90%の症例で直腸など消化管の合併切除、肝臓や横隔膜などの切除が必要になります。当科では、これら消化管の合併切除、横隔膜などの切除を標準的に行っていることから、周辺地域はもとより横浜市や東京都を含めた広域より患者さんを紹介して頂いております。
循環器内科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K5951 経皮的カテーテル心筋焼灼術(心房中隔穿刺、心外膜アプローチ) 345 2.05 2.64 0.29% 65.77
K5461 経皮的冠動脈形成術(急性心筋梗塞) 78 0.03 18.69 3.85% 67.38
K5952 経皮的カテーテル心筋焼灼術(その他) 76 1.66 2.49 0.00% 59.86
K5493 経皮的冠動脈ステント留置術(その他) 66 1.71 1.92 1.52% 69.61
K555-22 経カテーテル弁置換術(経皮的大動脈弁置換術) 57 3.35 10.51 3.51% 83.11
第一位と第三位はカテーテルを用いた不整脈の治療となっています。心房細動に対するカテーテルアブレーション治療需要の高まりを反映して、心房中隔穿刺アプローチを伴う治療法が大幅に増加しています。
第二位、第四位は経皮的冠動脈治療術です。血管内超音波、光干渉イメージングなどの血管内イメージングを積極的に用い、ロータブレーター、レーザー、衝撃波血管内砕石術IVL等のデバイスも駆使して、薬剤溶出性ステントを中心とした治療を行っています。透析患者など合併症を有する患者の治療も数多く手がけています。急性心筋梗塞や不安定狭心症などのいわゆる急性冠症候群に対する緊急あるいは準緊急の治療も積極的に行なっています。
第五位は経カテーテル大動脈弁置換術で開胸することなく心臓が動いている状態で人工弁と置き換える侵襲の少ない治療法です。加齢に伴って増加する大動脈弁狭窄症の治療に用いられます。
腎臓内科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K6121? 末梢動静脈瘻造設術(内シャント造設術)(単純) 19 23.00 28.00 21.05% 63.21
K635-3 連続携行式腹膜灌流用カテーテル腹腔内留置術 - - - - -
K7211 内視鏡的大腸ポリープ?粘膜切除術(長径2cm未満) - - - - -
K6153 血管塞栓術(頭部、胸腔、腹腔内血管等)(その他) - - - - -
K2762 網膜光凝固術(その他特殊なもの(一連につき)) - - - - -
救急科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K1781 脳血管内手術(1箇所) 20 0.45 49.50 60.00% 61.40
K6153 血管塞栓術(頭部、胸腔、腹腔内血管等)(その他) 16 1.19 13.75 31.25% 65.13
K046-3 一時的創外固定骨折治療術 14 0.43 53.93 78.57% 48.86
K1422 脊椎固定術、椎弓切除術、椎弓形成術(後方又は後側方固定) 12 2.42 52.25 75.00% 53.67
K1771 脳動脈瘤頸部クリッピング(1箇所) 12 0.42 45.33 66.67% 70.92
診療科別主要手術別患者数では、クモ膜下出血に対して血管内手術やクリッピング手術を受ける患者が多くなっています。また、当センターは重症外傷患者に対する救命救急治療が多く、体幹部外傷に対する経カテーテル動脈塞栓術(血管塞栓術)、四肢骨折、骨盤骨折に対する創外固定術、脊椎骨折に対する脊椎固定術?形成術が多くなっています。
血液内科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K9212? 造血幹細胞採取(一連につき)(末梢血幹細胞採取)(自家移植の場合) 12 18.67 2.17 0.00% 56.33
K6261 リンパ節摘出術(長径3cm未満) 11 6.00 28.18 9.09% 65.55
K654 内視鏡的消化管止血術 - - - - -
K783-2 経尿道的尿管ステント留置術 - - - - -
K386 気管切開術 - - - - -
悪性リンパ腫や多発性骨髄腫については、自家末梢血造血幹細胞移植術を行い、治療成績の向上を図っています。
消化器内科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K688 内視鏡的胆道ステント留置術 363 1.82 4.41 3.03% 72.21
K6532 内視鏡的胃、十二指腸ポリープ?粘膜切除術(早期悪性腫瘍胃粘膜) 168 1.06 5.30 0.00% 75.01
K721-4 早期悪性腫瘍大腸粘膜下層剥離術 102 1.39 3.87 0.00% 70.57
K7212 内視鏡的大腸ポリープ?粘膜切除術(長径2cm以上) 89 1.30 3.23 0.00% 64.56
K6152 血管塞栓術(頭部、胸腔、腹腔内血管等)(選択的動脈化学塞栓術) 79 1.08 7.17 0.00% 73.23
胆膵領域の悪性病変は一般的に早期発見が困難であり、診断や治療には高い専門性が求められます。悪性疾患、良性疾患の鑑別をして診断をし、適切な治療法へスムーズに移行できるよう、必要な内視鏡的治療を数多く行っています。早期の消化管がん(食道、胃、大腸)に対しても、手術に比較して侵襲度が低い内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)を積極的に行っています。治療前には外科グループとのカンファレンスにおいて、内視鏡切除の可否を検討し、切除後の病理結果を踏まえ根治性の判断も行っています。また、肝臓領域においては、多数例の肝腫瘍や門脈圧亢進症などに対するカテーテル治療を行い良好な成績を得ています。特に肝細胞癌に対する肝動脈化学塞栓術(TACE)やラジオ波熱凝固療法(RFA)を全国に先駆けて導入し症例実績を残しています。以上より、外科、放射線科、麻酔科などの診療科や他職種と連携したチーム医療を実践し、すべての消化器疾患の集学的治療対応が行える専門医療機関として重要な役割を果たしています。
一般?消化器外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K719-3 腹腔鏡下結腸悪性腫瘍切除術 etc. 107 5.62 10.50 0.93% 70.07
K6113 抗悪性腫瘍剤静脈内持続注入用植込型カテーテル設置(頭頸部その他) etc. 41 1.27 3.90 0.00% 66.88
K655-22 腹腔鏡下胃切除術(悪性腫瘍手術) 39 2.97 12.03 0.00% 70.69
K7322? 人工肛門閉鎖術(腸管切除を伴うもの)(その他のもの) 39 5.31 11.18 0.00% 63.44
K636-3 腹腔鏡下試験開腹術 35 3.46 5.80 0.00% 66.86
上部消化管外科、下部消化管外科、肝胆膵外科の各部門の領域専門性を重視し、各消化器癌を中心に、低侵襲治療である内視鏡外科手術を積極的に導入しています。結腸癌に対する腹腔鏡下結腸悪性腫瘍切除術、胃癌に対する腹腔鏡下胃切除術、肝腫瘍に対する腹腔鏡下肝切除術が多い手術です。直腸癌に対しては、従来の腹腔鏡下手術より緻密な手術ができる内視鏡手術支援機器(ロボット)を用いた直腸切除?切断術を2016年に導入し、現在ほぼロボット手術で行っています.また、肛門温存と高い根治性を得るため、手術前に化学療法や放射線療法を組み合わせた集学的治療を行っています。
化学療法や放射線療法により、肛門温存率は高くなりますが、創傷治癒遅延が起こる可能性があり、合併症である縫合不全を回避するため一時的人工肛門が必要になります。その結果として、人工肛門閉鎖術の件数が多くなっています。抗悪性腫瘍剤静脈内持続注入用植込型カテーテル設置とは、CVポートと呼ばれる小型のカテーテル付きカプセルを皮下に埋め込む手術です。抗がん剤点滴投与の際、直接血管ではなくCVポートに針を刺すため、薬液が血管外に漏れる危険が少なく、長期間の抗がん剤投与が必要な場合によく行われる手術です。また、ステージを確定し、治療方針を決めるための腹腔鏡下試験開腹も積極的に行っています。手術数の詳細につきましては以下のホームページをご覧ください。
http://www.kitasato-u.ac.jp/khp/section/department/ippang.html
リウマチ膠原病?感染内科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K7211 内視鏡的大腸ポリープ?粘膜切除術(長径2cm未満) 20 10.95 21.75 0.00% 66.00
K6261 リンパ節摘出術(長径3cm未満) - - - - -
K300 鼓膜切開術 - - - - -
K654 内視鏡的消化管止血術 - - - - -
K726-2 腹腔鏡下人工肛門造設術 - - - - -
乳腺?甲状腺外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K4763 乳腺悪性腫瘍手術(乳房切除術(腋窩部郭清を伴わない)) 147 2.54 6.52 0.00% 62.54
K4762 乳腺悪性腫瘍手術(乳房部分切除術(腋窩部郭清を伴わない)) 109 2.67 4.40 0.00% 57.78
K4765 乳腺悪性腫瘍手術(乳房切除術?胸筋切除を併施しない) 74 1.95 8.70 1.35% 58.97
K4631 甲状腺悪性腫瘍手術(切除)(頸部外側区域郭清を伴わない) 36 1.19 3.78 0.00% 56.03
K4611 甲状腺部分切除術、甲状腺腫摘出術(片葉のみ) 32 1.25 3.78 0.00% 55.31
糖尿病?内分泌代謝内科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K7211 内視鏡的大腸ポリープ?粘膜切除術(長径2cm未満) 14 13.43 8.86 0.00% 64.36
K171-22 内視鏡下経鼻的腫瘍摘出術(頭蓋底脳腫瘍(下垂体腫瘍を除く)) - - - - -
K2682? 緑内障手術(流出路再建術)(眼内法) - - - - -
K2684 緑内障手術(緑内障治療用インプラント挿入術)(プレートなし) - - - - -
K2762 網膜光凝固術(その他特殊なもの(一連につき)) - - - - -
その他(DIC、敗血症、その他の真菌症および手術?術後の合併症の発生率)ファイルをダウンロード
DPC 傷病名 入院契機 症例数 発生率
130100 播種性血管内凝固症候群 同一 - -
異なる - -
180010 敗血症 同一 36 0.15%
異なる 21 0.09%
180035 その他の真菌感染症 同一 - -
異なる - -
180040 手術?処置等の合併症 同一 392 1.60%
異なる 18 0.07%
当センターでは、急性肺炎、急性汎発性腹膜炎、急性胆管炎、腎盂腎炎、壊死性軟部組織感染症などの感染症により重症化し、敗血症、多臓器障害となった患者に対して、救命治療、集中治療管理を行っています。また、重症患者に対する緊急手術も多く、手術に伴う合併症が生じ治療を要することがあります。
リスクレベルが「中」以上の手術を施行した患者の肺血栓塞栓症の予防対策の実施率ファイルをダウンロード
肺血栓塞栓症発症のリスクレベルが
「中」以上の手術を施行した
退院患者数(分母)
分母のうち、肺血栓塞栓症の
予防対策が実施された患者数(分子)
リスクレベルが「中」以上の手術を
施行した患者の肺血栓塞栓症の
予防対策の実施率
2,836 2,508 88.43%
血液培養2セット実施率ファイルをダウンロード
血液培養オーダー日数(分母) 血液培養オーダーが1日に
2件以上ある日数(分子)
血液培養2セット実施率
血液培養検査は、患者さんの血液を採取し、その血液を液体培地ボトル(血液培養ボトル)に入れて培養する検査です。ヒトの血液は細菌や真菌など(病原体)がいない無菌状態が保たれていますが、何らかの理由により血液中に病原体が侵入することがあります。これを菌血症と呼称し、生体にとっては異常な状態です。さらに、血液中の病原体が全身に広がって感染が拡大することや、生体内の過剰な反応によって敗血症と呼称される全身性炎症反応症候群を引き起こすことがあります。
血液培養検査は、血液を血液培養ボトルに入れて病原体を検出しますが、病原体は絶えず血液中に存在するわけではありません。そのため、病原体の検出率を上げるために血液培養ボトルの2セット採血が推奨されています。1セットで病原体を検出できる確率(検出感度)は約73%、2セットの検出感度は約93%との研究報告があり、多くの施設で行われています。当院は特定機能病院であり細菌培養同定検査が基本的検体検査実施料に包括される事情から、診療行為データからの正確な抽出が難しいため数値を掲載していませんが、当院が把握している血液培養2セット実施率は、小児科や血液内科を含めて90%程度となっています。
広域スペクトル抗菌薬使用時の細菌培養実施率ファイルをダウンロード
広域スペクトルの抗菌薬が
処方された退院患者数(分母)
分母のうち、入院日以降抗菌薬処方日
までの間に細菌培養同定検査が
実施された患者数(分子)
広域スペクトル抗菌薬使用時の
細菌培養実施率
細菌感染症の治療に用いる抗菌薬を不適切に使用すると、薬剤耐性菌(抗菌薬が効かない細菌)が発生してしまいます。
薬剤耐性菌による感染症の治療は難しいことが多く、また薬剤耐性菌が院内に広がってしまうことは大変危険です。薬剤耐性菌の増加は以前より世界的に問題視されており、抗菌薬の適正使用が求められています。
当院ではカルバペネム系抗菌薬、タゾバクタム?ピペラシリン製剤、注射用キノロン系抗菌薬、抗MRSA薬等を指定抗菌薬として定めており、その多くは後述する『広域スペクトル抗菌薬』に該当します。
指定抗菌薬は抗菌薬の中でも特に適正使用に努めなければいけません。指定抗菌薬の不適切な使用は多剤耐性菌(数多くの抗菌薬が無効な細菌)の発生に繋がります。

いかなる細菌にも効果がある万能な抗菌薬はありませんので、感染症の原因細菌に対して使い分ける必要があります。ある抗菌薬がどのくらい多くの細菌に対して有効であるかを示す尺度を抗菌スペクトルとよび、数多くの細菌に効果を示す抗菌薬を『広域スペクトル抗菌薬』とよびます。感染症を引き起こす細菌は数多く知られていますが、治療開始時に速やかに原因細菌を特定することは困難なことが多いです。したがって重症な患者様では特に広域スペクトル抗菌薬が選択されることが多いです。

ただし広域スペクトル抗菌薬を長期間使用し続けると、薬剤耐性菌が発生してしまう危険が高まります。抗菌薬治療中に原因細菌が判明した際には、広域スペクトル抗菌薬から狭域スペクトルの抗菌薬に変更して薬剤耐性菌の発生を抑制しようとする姿勢が重要です。これをDe-escalationといいますが、De-escalationを安全に行うためには細菌培養同定検査を実施して原因細菌の特定に努めることが非常に重要となります。細菌培養同定検査を実施するために血液や痰、尿などを検体として採取させて頂きますが、検体の種類は肺炎や尿路感染症、細菌性髄膜炎等、疑っている感染症の種類に応じて異なります。

当院は特定機能病院であり細菌培養同定検査が基本的検体検査実施料に包括される事情から、診療行為データを用いた細菌培養実施率の正確な算出はできません。しかしながら患者様の治療に指定抗菌薬が使用された場合には必ず感染管理室が治療経過を確認し、積極的に細菌培養実施やDe-escalationを含めた治療支援をさせて頂いております。
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