医療安全担当 副院長、医療安全推進室 室長の内山勝文です。博狗体育在线_狗博体育直播【官方授权网站】@病院は、高度の医療の提供、高度の医療技術の開発、及び高度の医療に関する研修を実施する能力等を兼ね備えた病院として、特定機能病院に承認されています。特定機能病院の承認要件として、医療安全管理体制の整備が義務付けられており、医療安全推進室では様々な業務を行っております。多職種(医師、看護師、薬剤師、臨床工学技士、事務員など)が集まり、それぞれの特性を活かして 『医療の質の向上と患者安全の推進』を共通の目標とし、またスローガンとして『大切な人に最良の医療を』を掲げ、皆様のために尽力いたします。
患者に安全で良質な医療サービスを提供することは、医療の最も基本的な要件です。
当室には、医師、看護師、薬剤師、臨床工学技士、放射線技師、事務職員が所属し、それぞれの専門性を活かして、提供する医療の質と安全性を検証し、医療事故の防止、医療安全の向上、安全管理に取り組んでいます。
博狗体育在线_狗博体育直播【官方授权网站】@病院における医療安全管理体制の確立、医療安全管理のための具体的方策および医療事故発生時の対応方法等についての指針です。詳細は、以下のPDFファイルでご覧になれます。
博狗体育在线_狗博体育直播【官方授权网站】@病院医療に係る安全管理のための指針(全文)(PDF形式、223KB)
医療安全管理責任者、医療安全管理者、医薬品安全管理責任者、医療機器安全管理責任者、医療放射線安全管理責任者、リスクマネジャー、医療安全推進者の役割については、「医療に係る安全管理のための指針(PDF形式、223KB)」を参照
本院での医療事故の防止及び安全で質の高い医療の確保と提供を図るため、医療安全全般に関する検討、勧告、指導を行うことを目的に設置しています。
各部門における医療安全に関する管理責任者であり、現場での事故防止?安全管理に関する中心的な役割を担っています。
各部門の医療安全管理の推進に資するためにリスクマネジャーを補佐し、安全管理推進に関する実務を行っています。
リスクマネジャー、医療安全推進者はこのワッペンを付けています。
医療安全推進室は、専従医師(1名)、兼務医師(7名)、専従看護師(4名)、専従薬剤師(1名)、兼務薬剤師(2名)、兼務臨床工学技士(1名)、兼務診療放射線技師(1名)、専従事務職員(3名)で活動しています。
氏名 | 役職 | 職種 | 専従?兼務 |
---|---|---|---|
内山 勝文 |
|
医師 | 専従 |
日高 央 |
|
医師 | 兼務 |
荒井 有美 |
|
看護師?薬剤師 | 専従 |
若林 良雄 | 課長 | 事務 | 専従 |
箱田 美知恵 |
|
看護師 | 専従 |
玄海 泰子 | 係長 | 看護師 | 専従 |
宮島 慧 | 係長 | 看護師 | 専従 |
冨澤 淳 |
|
薬剤師 | 専従 |
今村 麻里 | 係長 | 事務 | 専従 |
山口 舞花 | 一般 | 事務 | 専従 |
安藤 寿 | 小児科 助教 | 医師 | 兼務 |
吉田 功 | 医学部新世紀医療開発センター横断的医療領域開発部門分子病理学教授 | 医師 | 兼務 |
鎌田 浩稔 | 血液内科学 診療准教授 | 医師 | 兼務 |
山梨 高広 | 下部消化管外科学 准教授 | 医師 | 兼務 |
松田 弘美 | 麻酔科学 講師 | 医師 | 兼務 |
髙口 大 | 泌尿器科学 講師 | 医師 | 兼務 |
宮坂 優人 | 薬剤部 係長 | 薬剤師 | 兼務 |
松岡 陽子 | 薬剤部 主任 | 薬剤師 | 兼務 |
武田 章数 | ME部 係長 | 臨床工学技士 | 兼務 |
渡邉 あゆみ | 放射線部 係長 | 診療放射線技師 | 兼務 |
「患者中心の医療」「共に創りだす医療」という病院理念を前提に、組織全体に安全文化を根付かせていくことが、当室の重要な目標です。
「個人の気づきを組織の気づきへ」をコンセプトに、失敗や成功した体験をパソコンから報告するシステムを採用し、誰でも(匿名でも)報告できるようにしています。
リスクマネジメント博狗体育在线_狗博体育直播【官方授权网站】@(SHELL)の発行(毎月2回)?博狗体育在线_狗博体育直播【官方授权网站】@速報(適時)
当院では、インシデント報告システムを「あいれぽ」という愛称で親しみを込めて呼んでいます。英国の心理学者ジェームス?リーズンは、「安全文化を構成する4つの要素」を提唱しています。1 報告する文化、2 正義の(公正な)文化、3 柔軟な文化、4 学習する文化、などです。「あいれぽ」によって、事例を共有し、個人の問題でなく、組織の問題として、「安全な医療」の提供に取り組んでいます。
COVID-19の中、急変時の初動訓練のための研修(BLS研修、ICLS研修インストラクターの育成など)、2014年から開始しているチームトレーニングであるチームSTEPPSは、最重要研修として継続しました。 また、室長による研修医セミナー(年6回開催)を強化することで、医師経験年数の浅い時期から医療安全の大切さを知ってもらっています。
当院はこれまで約3000名のスタッフがチームSTEPPS研修を受講しています。本研修の実施前後の評価については、米国AHRQが開発した医療安全文化調査を用いて実施しています。 結果の一部を示します。
チームトレーニングであるチームSTEPPSを行うことにより、それぞれの項目の改善がみられました。
医療安全対策に関する取り組みや話し合いを行っています。
名称 | 目的 | 構成員(職種) |
---|---|---|
投薬?注射ワーキンググループ | 医薬品使用に関わるインシデントを基に安全使用に向けた対策を立案?検討している | 18名(医師、看護師、薬剤師) |
転倒?転落防止ワーキンググループ | 転倒転落インシデントを分析し、患者安全のための適切な予防対策と対処対策を講じる | 15名(医師、看護師、薬剤師、理学療法士、事務職) |
中心静脈カテーテルワーキンググループ | 中心静脈カテーテル挿入?管理?抜去に関する体制を整備し、周知徹底する。 | 25名(医師、看護師、薬剤師、臨床工学技士、臨床検査技師、診療情報管理士、事務職) |
深部静脈血栓症防止ワーキンググループ | 静脈血栓塞栓症予防のリスク評価を適切に行い、予防のための安全な医療を提供する。 | 24名(医師、看護師、薬剤師、臨床工学技士、臨床検査技師、診療情報管理士、事務職) |
モニターアラームコントロールチーム(MACT) | 生体情報モニタが適切に使用されるよう問題点を明らかにし、管理?教育を行う。 | 9名(医師、看護師、臨床工学技士) |
アレルギーワーキンググループ | アレルギーに関するインシデントを基に他職種で対策を立案?検討している | 16名(医師、看護師、薬剤師、栄養士) |
自殺防止対策プロジェクト | 全ての職員が自殺に対しての予防も含めた正しい知識と対応が出来ることを目指す。 | 10名(医師、看護師、薬剤師、ソーシャルワーカー、事務職) |
医療行為に伴う休薬?再開に関するプロジェクト | 侵襲的な医療行為に伴い、休薬が必要な薬剤に関する指針を作成する。 | 13名(医師、薬剤師、診療情報管理士) |
身体拘束最小化ワーキンググループ | 患者の人権に配慮した上での必要最小限の身体拘束について検討し最小化を目指す。 | 23名(医師、看護師、診療放射線技師、診療情報管理士) |
院内トリアージシステム構築プロジェクト | 一般外来患者のトリアージシステムを構築し、周知する。 | 17名(医師、看護師、診療放射線技師、診療情報管理士、事務職) |
鎮静ワーキンググループ | 非麻酔科医による安全な鎮静実施ができるように体制整備する。 | 5名(医師、看護師、薬剤師) |
血管外漏出予防?防止プロジェクト | 注射剤の血管外漏出による重度な皮膚障害を予防?防止できるよう対策を検討する。 | 8名(医師、看護師、薬剤師) |
サイトマーキングプロジェクト | 手術?処置時の部位間違いを防止するための対応?対策を検討する。 | 42名(医師、看護師、薬剤師、臨床工学技士、臨床検査技師、診療放射線技師、事務職) |
医療安全に関わるハンドブック編集し、全職員に配布し、困った時にすぐに対処できるように携帯できるようにしています。
あいれぽ報告から得られた情報や医療安全に関わる情報をタイムリーに全職員へ回覧周知しています。2021年度は、全20回発行しました。
医療事故防止を図るため、第3者的視点から検証を実施し、それぞれの病院の医療安全の強化、改善につなげる目的で私立医科大学附属病院において相互ラウンド?ピアレビューを行っています。
2021年度は、COVID-19感染拡大防止のため、相互に現地訪問する形式でのラウンドは行わず、書面によるやりとり(自己評価票と自己評価票に関する確認事項?質問事項のやりとり)を行いました。
特定機能病院である当院は、医療安全に係る業務への取組状況を監査し、必要な是正措置を講ずるよう助言を行うことを目的とした医療安全監査委員会を設置しています。
外来の患者さんを中心にオリジナルのティッシュを配布しながら、診察や検査時等に名前を名乗って頂いたか患者さんに調査を実施しました。(2021年3月16日~31日)
当院における重大事故事例を踏まえた対策として、患者の急変時対応の強化とコミュニケーションエラーの防止として企画したBLS研修、ICLS研修、チームトレーニング(チームSTEPPS)を継続していく。また、情報伝達エラー防止のための全面電子化については、病院のIT化の方針と合わせて検討していく。
毎月約2,000件の報告があり、そのほとんどが影響度の低いものでした。
報告数の増加により、転倒数?転倒率が増加している様にみえますが、定期的な転倒?転落防止ワーキンググループの活動により対策を講じております。