集中治療後症候群(PICS)とは、ICU入室中もしくは退室後に今までは無かった身体的?認知的?精神的な障害が新たに生じる症候群のことです。PICSはこれらのうち一つだけでなく、複数合併する人がいることもわかっており、生命予後の悪化やQOLの低下など、退院後の生活に大きな影響を及ぼすことがわかっています。

 大きな病院や三次救急を担う病院ではPICSという概念が徐々に浸透してきた一方で、当院のような二次救急の病院においては、未だPICSという名称すら浸透していないことが多々見受けられます。重要な概念であることには変わりなく、ICUを持つ全ての病院において対策を講じる必要があると考えています。

 我々は医師、看護師、管理栄養士、理学療法士、作業療法士が多職種でチームを形成し、各職種の専門知識を持ち寄り、PICSに対する様々な施策を行っています。職員や患者様ご家族に対して、PICSに関する勉強会の開催やポスター掲示を用いた啓蒙活動、さらにはPICSに対する標準的な評価の整備やデータ集計を行っています。
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