海洋生命科学部
School of Marine Biosciences

スタッフの声

アクアリウムラボで得たこと、学んだこと

アクアリウムラボスタッフ 幸田拓樹(4年生?取材時)
スタッフの声1自分たちで立案する企画展示水槽のメンテナンス
スタッフの声2真剣な面持ちで作業。すべてが学生によって維持されています。
アクアリウムラボは、企画や運営をすべて学生が行っている水族館です。海水魚をはじめ、淡水魚やクラゲなど多種多様な生き物の展示を行っています。展示には、常設展と企画展の二種類があります。常設展では海洋生命科学部で行われている研究と関連のある生き物の展示や三陸をテーマとした展示、相模原をテーマとした展示などを行っています。企画展では、その月の季節や、行事に関するユニークな展示を行っています。

生き物が相手であるためシフトを組み、平日はもちろん土日や年末年始など365日毎日スタッフが生き物の世話をしています。飼育している生き物は、各地の水族館やOB?OGスタッフからのご提供、スタッフによる採集などにより、様々な方面からやってきます。自ら採集した生き物が餌付いた時の嬉しさ、来館された方に解説を通して興味を持っていただけた時の達成感などを感じられると共に、生き物を「飼育している、展示している」という実感を得ることができます。

スタッフの中には、生き物の世話が好きなスタッフはもちろん、将来水族館での飼育員を目指すスタッフなどがいます。海洋生命科学部では、将来研究者や博物館スタッフを目指す学生に向けた「学芸員養成課程」を履修できることや、アクアリウムラボがあるため、飼育員を目指す学生には良い学びの場となっています。特にアクアリウムラボには、企画書の作成があります。水槽展示案について、個人で考えた案を企画書に書き、それを先生に提出し、許可をいただくとアクアリウムラボ内に展示することができます。来館された方に展示をご覧いただけるだけではなく、企画書の作成という、学芸員や社会人としてのスキルを磨くこともできます。その他にも解説パネルや水槽のレイアウト、魚名版などもすべて学生が手掛けているので、学べることはたくさんあります。
スタッフの声3アクアリウムラボの裏側 バックヤード
スタッフの声4クラゲの赤ちゃんの世話。小さな命も大切に育てています。
私は、水族館の飼育員を目指していたことから、アクアリウムラボに入りました。そして、想像していたとおり、展示や飼育方法、機材の扱い方といった飼育技術を学ぶことができました。しかし、それだけではなく、スタッフみんなで協力し合うといったチームワークを築くこともできました。またスタッフ同士で会話することはもちろん、先生、水族館飼育員の方など、様々な方々とコミュニケーションをとる機会に恵まれました。そのため自然と人前で話すことができるようになり、コミュニケーションに自信を持てるようになりました。アクアリウムラボでは、想像していた以上に多くのものを得ることができ、とても充実した時間を過ごすことができました。

さらに、アクアリウムラボでは、展示だけではなく、地域と連携した移動水族館やワークショップなどのイベントがあります。また、大学の一大イベントである北里祭では常設展に加え、MB号館の2Fもしくは3Fのフロアを使って、大規模な企画展を行っています。この企画展で4年生が引退となるため、2年間アクアリウムラボで活動してきた集大成をお客様に見ていただくことができます。
こういった活動を通して、アクアリウムラボに足を運んでくださる皆様にとっても、学びの場となっていれば嬉しいです。
卒業後は目標としていた水族館に就職します。アクアリウムラボで培った飼育技術や生き物と接するときの心構え、お客様の求める展示の作成技術や組織で行動するからこそできた経験等を活かすとともに、就職先での経験を自分のものとし、常に前に進む気持ちを持ち続けたいと思います。 

アクアリウムラボで得たものを、博物館の展示に活かしたい。

アクアリウムラボスタッフ 岩切 美鈴(4年生?取材時)
スタッフの声5岩切美鈴さん(4年生)東京都都立狛江高等学校出身 左から2人目
スタッフの声6展示水槽の裏側から、水槽の清掃
東日本大震災が起こる前は、三陸キャンパスにミニ水族館が作られる予定でした。しかし、震災が起こり、海洋生命科学部は相模原に拠点を移しました。そんな中、学生の就業力育成を目標に、生き物が好きな学生たちの癒やしも合わせて、水槽を作る人、見る人が幸せになれるミニ水族館「アクアリウムラボ」が、2011年7月にオープン。アクアリウムラボは、全て学生が企画し、運営する全国でも珍しい水族館です。アクアリウムラボの展示には常設展と企画展があり、それらの展示を通して海洋生命科学部の研究内容をわかりやすく伝えたり、三陸をテーマにして現地の多様な生き物を紹介してきました。また、「大船渡津波伝承館」でミニ水族館を展開するなど、三陸と深いつながりがあります。

海洋生命科学部では、学芸員養成課程という資格取得コースがあります。アクアリウムラボのスタッフの中でこの課程を取っている者にとっては、将来、水族館や博物館で働く際に即戦力として動けるように、学生のうちから鍛えることができる場になっています。
アクアリウムラボは生き物相手ですので、シフトを組んで毎日スタッフが世話をしています。シフトは午前?午後に分かれていて、午後シフト終了後は、魚たちに昼と夜の区別をつけさせるために、アクアリウムラボの明かりをすべて消してから帰ります。
展示している魚は基本的にスタッフが採集してくることになっています。設備は水槽室内にある海水タンクから海水を引いて、蛇口をひねれば海水が出る構造になっていますが、万が一のために、バックヤードで海水を小さなポリタンクにためてあります。
スタッフの声7大学が開いている期間なら誰でも見ることができます
スタッフの声8入口の様子。工夫を凝らした飾り付けも学生の手によるもの
アクアリウムラボの展示は、水槽のレイアウト、解説パネルから魚名板まで、すべて学生が作り上げてきたものです。水槽内の生体は入れ替えたりしますが、基本的な展示テーマは「海洋生命科学部の研究?研究室紹介」となっています。過去の先輩たちの展示がそのまま受け継がれているものもあるので、それらをうまく活用しつつ、来館された方々が生き物に興味を持つような展示にしていきたいと考えています。
子どもが好きなスタッフが親子連れの方などが見学に来た際に展示の説明や生き物を紹介して回ることがあります。子どもが興味を持つポイントは大人とは違うことがあるので、そのような発見がおもしろいです。
また生き物を扱っているので、常に同じということはありません。餌を食べなかったり病気になったり、その時々の変化に対応して、生き物を長く世話できるとうれしいです。

アクアリウムラボの運営に携わることで知り合いの輪が大きく広がり、人とのコミュニケーション能力が身に付きました。また、多彩な趣味や考え方を持ったスタッフ一人一人が自分の得意分野を発揮することで、それぞれの役割を全うできるようになったことは大きな成果です。これからもスタッフみんなで話し合ってより良い展示を作っていきたいと考えています。
今後は博狗体育在线_狗博体育直播【官方授权网站】@内、各学部や博狗体育在线_狗博体育直播【官方授权网站】@病院などの学内関係者だけではなく、学外の地域住民の方などをもっと呼び込みたいです。そのためにはアクアリウムラボが、もっと気軽に立ち寄れる憩いの場になるといいなと思っています。

私は将来、博物館で働きたいと考えていて、そのためにアクアリウムラボに入り、学芸員養成課程を取りました。自分の学んできたことを活かして、誰もが楽しいと思える展示をすることが夢です。