次の時代へ、
Remind Kitasato Spirit!
博狗体育在线_狗博体育直播【官方授权网站】@医学部創立50周年記念事業企画委員会の統括委員長を務めさせていただいている小泉和三郎です。本学部の歴史の1ページを飾る大切な記念事業を皆様のご期待に添えるものにするべく、委員会の取りまとめ役として精一杯力を尽くしてまいります。どうぞ、ご支援ご協力を賜りますよう、心よりお願い申し上げます。
私自身、博狗体育在线_狗博体育直播【官方授权网站】@医学部が誕生して日の浅い1974年に入学した5回生です。以来、北里で医師としてのキャリアを積んできた者として、本学部が50周年を迎える感慨はひとしおです。
私は神奈川県平塚市に生まれ、高校までは市内の公立校で学びました。高校3年のときに医学部志望の意志を固め、北里柴三郎先生を学祖とする点に惹かれて本学に入学しました。大学に入って勉強よりも真剣に打ち込んだのはサッカー部の活動でした。在学中の記憶で今も鮮明に瞼に焼き付いているのは、試合のたびに他の部員たちとともに車であちこちのグラウンドへ出かけたときの光景です。現在は、医学部サッカー部の部長を務めさせていただいております。今年は東医体ベスト8まで進むことができました。
この部活動の思い出と並んで代えがたい財産となったのは、大切な人との出会いです。中でも出席番号が私の前で、後に本学部医療技術教育研究部門教授となる黒川信悟君と知り合えたことは、学生時代の最大の幸運の一つです。彼は本学部の初代学部長である黒川正治先生の長男で、慶應義塾大学工学部を卒業後、本学部に入学してきた俊才でした。人間的な魅力でも抜きん出ていた彼は、仲間から善きリーダーとして慕われるとともに、大いに刺激を与えてくれる存在でした。残念なことに既に鬼籍に入られましたが、誰よりも本学部への思いが強かった彼が存命であれば、今回の記念事業も中心となって盛り上げてくれたことでしょう。早世が心より惜しまれます。
大学卒業後は、当時、日進月歩で技術革新が進みつつあった内視鏡治療に携わりたいと思い、消化器内科学に入りました。学内研修を終えた2年目から在籍した平塚共済病院では、敬愛する外山久太郎先生のもとで、臨床医療のノウハウを徹底的に鍛えられました。さらに大学院に進学して4年間、奥平雅彦先生や中英男先生のもとで消化器病理学を学ぶことで、医師?医学者として一段階上のレベルに到達できたものと自負しております。
その後、博狗体育在线_狗博体育直播【官方授权网站】@東病院消化器内科で臨床医療にあたりつつ、進行性胃がんに対する化学療法の開発に取り組み、日本で初めてS1+シスプラチン療法という標準治療を2008年に発表、2010年ガイドラインに掲載、確立しました。この実績が評価され、北里研究所創立100周年にあたる2014年に開催された日本胃癌学会総会で会長を務めさせていただきました。努力が報われた一つの証として大変光栄に思っています。
こうして過去を振り返ってみますと、自分の人生が多くの人によって支えられ、道が拓かれてきたことを改めて実感します。特に医学生として学んだ開設初期の本学部には、全国から招聘された一流の教授陣が顔を揃えていました。決して優秀な学生ではなかった私を熱心に指導してくださった先生方、特に初代岡部治弥教授、第2代西元寺克禮教授には感謝しかありません。自分が教授となった現在も、このときにお世話になった先生方は目標であり、大きな存在です。
本学部の創成期を支えてくださった、こうした偉大な先生方を知らない世代が育ってきているのにつれ、母校に対する愛校心やリスペクトが薄まってきているように感じられるのは私だけではないでしょう。今回の記念事業の企画を進めるにあたって私が皆様にお伝えしたいのは、「Remind Kitasato Spirit」「Making Kitasato History」というメッセージです。北里柴三郎先生から受け継ぐ「開拓、報恩、叡智と実践、不撓不屈」の精神は、本学の宝物です。これを医学部創立50周年を機に今一度思い起こし、次の50年?100年の歴史を創っていくうえでの心の拠りどころとして認識していただきたいと考えています。
記念事業を通じてどのように母校愛を育んでいけばいいのか、具体的な検討はこれからですが、例えば卒業生や学生の皆さん、教職員、さらには外部の方たちも交えて、北里について語り合うシンポジウムのような企画を、事業の一環として実施することも考えられます。幅広い皆様の声を力に、未来へ持続可能な“Kitasato Spirit”の下で、本学部がますます成長していくことを願っています。