地域連携

Right menu

北里大学地域連携室

教職課程学生による「北里大学夏休み子ども実験教室」開催結果について

トップ お知らせ教職課程学生による「北里大学夏休み子ども実験教室」開催結果について

教職課程学生による「北里大学夏休み子ども実験教室」を終えて
開催日程 平成27年8月24日(月)〜28日(金)の5日間
午前の部(10時〜12時)、午後の部(13時〜15時)各2時間
開催場所 相模原キャンパスS号館(理学部棟)
参加者数 参加者は小学生98名及び兄弟姉妹若干名、付き添い保護者52名
学生スタッフ数 47名(理学部、海洋生命科学部)

「理科を教える楽しさを学ぶこと」・「理科の学生としてできる地域貢献」を目的として、夏休み子ども実験教室は企画されました。この実験教室は、学部を越えた教科(理科)の教職課程を履修する学生達を中心とした学生の自主的な企画・運営により、地域の小学校高学年の児童を対象に様々に工夫した5つの理科実験を体験してもらったものです。

参加した児童達は、普段使えないような実験器具に触れたり、初めての実験に夢中になっていました。また、マンツーマンに近い形で学生スタッフが丁寧かつ親切に指導を行ったため、保護者を含め好評を博しました。学生スタッフにとっては、自主的に企画・運営・広報を行う経験に加えて、児童への実験指導においては、発見学習、問題解決学習、体験学習といったアクティブラーニングの手法を用いた実践的な指導法を経験することができました。

実験内容 A.メダカの世界
B.氷点下の世界
C.世界一飛ぶ紙飛行機
D.音・光の不思議
E.DNAを見てみよう

学生の制作したポスターとビラ


当初は、定員90名の予定でしたが、応募者が131名と定員90名を超えたため、可能な範囲で増員して実施をしました。

参加者には白衣を着用してもらい、実験に参加する意識付けを行うとともに、必要により保護メガネと手袋もつけてもらい、また、スクリーンと大型テレビ、ホワイトボードを駆使し、図や実物の映像を用いた子どもたちに分かりやすい説明を工夫して、子供目線での指導を心掛けました。


各グループの実験内容

A.メダカの世界

赤白メダカ(雄はヒメダカ、雌は白メダカになるように作られたメダカ)の配偶行動の観察、卵の採取と卵磨き、顕微鏡による発生の観察を行い、卵を持ち帰って継続観察を行う。

<実験の様子>

B.氷点下の世界

ライアイスを材料に、CO2 の昇華の観察、水に溶けた時のpHの変化、気体の重さをシャボン玉を用いて確かめる、ドライアイスが気体になった時の体積増加をフィルムケースの爆発で確かめる。

<実験の様子>

C.世界一飛ぶ紙飛行機

真空ポンプを用いた真空時の体積変化や沸点の変化の実験、ドライヤーと発泡スチロール球を用いた流体力学の実験、紙飛行機を作成しよく飛ぶように調整して遠くまで飛ばす実験を行う。

<実験の様子>

D.音・光の不思議

一辺5cmのポリカーボネート製鏡6枚を用いた立体万華鏡の作製と、太さ6mmと5mmのストローと、紙コップを用いた楽器(ストロンボーン)作りを、原理の理解とともに行う。

<実験の様子>

E.DNAを見てみよう

タマネギの核を酢酸オルセインで染めDNAの存在場所を確認したのち、バナナからDNAを取り出し、遠心分離機で濃縮したDNAを酢酸オルセインで染色して顕微鏡で確認する。

<実験の様子>


おわりに

「単位にもならないしバイト代も出ないのに学生たちは良くやりますね。」本学教員のこの感想が夏休み子ども実験教室の状況を全て言い当てています。最初の提案こそ教員側から行われましたが、企画・調整・運営・実施のほとんどが学生の手により行われ、当初の教員の予想をはるかに超える成果を上げました。まさにセンターが目指したアクティブラーニングそのものであり、機会を与え、場を与え、信じて任せることの重要性を改めて認識する結果となりました。実験教室はテレビ・新聞・タウン誌・FMラジオに取り上げられ、学生たちの励みとなり、その結果、メンバーの一部が秋の文化祭に「子ども実験教室・リターンズ」として新企画で飛び入り的に参加し好評を博したり、教職に就いた時に困らないよう教科書の実験項目を自分たちで実験しマニュアルを作る自主研究会を結成するなど、学生の「自ら学ぶ」意欲に火がついたように感じられます。

実験教室の実施過程を通じて、学生たちは多くのことを学び、多くの影響を受けました。また、学部や学年の垣根を越えた新しい人間関係を構築し多くの経験を共有し、「またこのような企画があるなら、参加したいと思いますか」の質問に全員が「はい」と回答している事実は、今回得られた経験と知識が着実に引き継がれると確信できます。教職課程センターとしては、この企画が学生と地域の子どもたちにとってさらに有意義なものとなるよう今後さらに条件整備を進めたいと考えています。