第460回獣医学科セミナーを以下のように開催いたします。教職員および学生のご参加をお待ち申し上げます。
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タイトル
牛乳は誰のもの?―乳牛の繁殖を知ることで見えてくる酪農生産の未来―
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演者?
日下 裕美 先生 (獣医臨床繁殖学研究室)
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要旨
酪農経営において、生産物である乳と子牛を安定的に得るためには、最適な分娩間隔を維持することが重要です。しかし1990年代以降、分娩間隔は延長し、牛群から除籍される平均産次が低下するなど、繁殖性悪化による酪農経営の収益性低下が問題視されてきました。乳牛の繁殖性に影響を及ぼす因子は多岐にわたり、特に飛躍的な乳生産性の向上が分娩後の繁殖機能回復に悪影響を与えることが示唆されていますが、その関係性は単純ではありません。演者はこれまで、高泌乳化した乳牛における1)分娩後の卵巣機能再開の乱れ、2)子宮修復過程で問題となる子宮内膜炎に関する研究を進めてきました。本セミナーでは、上記の2つのテーマに沿って、これまでの研究成果と、そしてこれからの試みを紹介します。