臨床化学研究室
TOPICS
研究室について
研究テーマ
当研究室は「糖尿病性腎症の早期診断法、治療薬、予防法の開発」の研究により医療、健康長寿、社会福祉への貢献を目指しています。 「糖尿病性腎症」は、糖尿病の合併症の一つであり腎臓の機能が低下した症状で、初期はほとんど自覚症状がありません(腎臓:沈黙の臓器)。進行すると回復は難しく腎不全になり、最後は人工透析治療が必要になります。わが国の年間の新規人工透析治療導入患者は約4万人で、人工透析治療の原因疾患の第1位が「糖尿病性腎症」であり、全体の約40%を占めています(日本透析医学会「わが国の慢性透析療法の現況」)。人工透析治療には1回4~5時間を要し、週3回の通院が必要で、生活における仕事や勉強等に影響します。医療費の公的助成制度が確立していますが、患者と家族の負担(苦痛)は極めて大きいです。
腎臓の「ミトコンドリア」と「近位尿細管」の機能に注目し研究を進めています。「ミトコンドリア」は「細胞のエネルギー通貨」と呼ばれるATP(アデノシン3リン酸)を合成しています。また、「近位尿細管」は、糖やタンパク質(アミノ酸)、電解質、等を再吸収する重要な役割を担っています。再吸収機構にはATP依存性が多いので、ATPの必要性が極めて高い部位です。腎臓の「ミトコンドリア」と「近位尿細管」の研究は、「糖尿病性腎症の早期診断法、治療薬、予防法の開発」に繋がると信じ研究しています。
研究内容
研究内容
- ミトコンドリアの品質管理機構に着目した糖尿病性腎症の早期診断法の開発
- 近位尿細管上皮細胞を用いたミトコンドリアの機能解析
- 腎尿細管メガリンの発現制御に関連するマイクロRNAの探索
- 腎障害における細胞老化進行メカニズムの解明と早期診断マーカーの開発