スペシャリスト News
その人らしい“生”を支えるための意思決定支援「アドバンスケアプランニングについて知ろう」
がん看護専門看護師による院内看護職員を対象とした研修「アドバンスケアプランニング(Advance Care Planning 以下 ACP)について知ろう」を2017年9月22日開催し、約40名の参加がありました。
- ACPとは
- 今後の治療や療養、将来の希望などについて患者や家族と医療者があらかじめ話し合い、自分で治療の方針が決めることが難しくなった時にでも、その人の生き方や価値観を大事にした医療を提供するケアの取り組み。
研修の概要
目的
看護師がACPのプロセスやケアのポイントを理解する。
プログラム
- 講義
ACPとは
ACPのプロセスやケアのポイント - グループワーク
看護ケアを振り返り、実践で取り組みたいACPについて共有する
講義

ACPとは
死とどのように向き合い自分らしく生きていくかを考える時代になり、より良い生を支えるための意思決定支援にACPの考え方が普及している現状を知りました。ACPを医療の中に取り入れていくことは、患者の大事な意思を家族と共に医療者が知り、共に向き合う事につながり、これは患者や家族と医療者における信頼関係にも影響を及ぼすことを知りました。
ACPのプロセスやケアのポイント
事例をもとにACPを意識したケアプロセスを共有しました。ACPを促進する看護師の関わりとして患者?家族と対話を持つことが重要であり、“先々の見通しを伝える”ことに終始しすぎず、患者?家族の現状を受容するプロセスや、人生における価値観や生き方を大切にした関わりが必要であることを学びました。また、ACPを導入する上での課題には、“先行きについて知りたくない”という権利を守れない可能性があることに配慮が必要であることを確認しました。
グループワーク

各々の看護を振り返りながら、ACPを日々のケアに取り入れるためには何ができるのか話し合い、グループで共有しました。患者?家族との関りの中でその人らしさを大切にすることや、チームでの検討時にACPの視点を用いたカンファレンスを開催することなどが挙げられました。
参加者の反応?感想
- 患者?家族と関わる際に、これまでとこれからという一連のプロセスの中にいる患者?家族を知る必要性を学べた。
- ACPの支援は、日ごろ実践している患者?家族の権利や尊厳を大切にする看護の原点であることを確認でき、看護実践へのモチベーションに対する刺激を受けた。
- 医師など他職種を含めたチームにおいて、どのように共有しどの時期にどのようにアプローチしていくのか難しいと感じた。
2018.1.15