NST委員会の委員は多職種で構成され、感染防止委員会、褥瘡対策委員会の兼務委員が在籍しています。
委員会、各チームのまとめ役です。病棟NSTでは各科の医師がリーダーを務めています。
疾患ごとに専門性の高い医師の参画により病態と栄養の両面から検討することができます。
NST活動における看護師の役割として、栄養管理を必要とする患者の抽出～アセスメント～プランニング～モニタリング?栄養管理に関する主観的な情報の入手と提供?栄養ルートの適切な管理?在宅栄養療法の指導などがあります。看護師は、24時間のベッドサイドケアを通し、あらゆる場面の栄養管理に関わることのできるジェネラリストであり、患者の生活を考えたNST活動のためのコーディネーターの役割を担っています。
NSTにおいて管理栄養士は、主に摂取栄養量や必要栄養量の算出、栄養評価を行っています。摂取栄養量は病院食の摂取量、経腸栄養、経静脈栄養から計算しトータルでの栄養の過不足をチェックします。必要栄養量は間接熱量測定やHarris-Benedictの式、体重等を用いて多角的に算出します。これらをNSTカンファレンスでの検討材料とし、栄養管理に役立てています。
薬剤師は栄養に関わる注射薬や輸液の調製、薬品全般の適正使用に関与しています。注射薬の調製は、無菌的な環境が保てる装置（クリーンベンチ）の中で作業を行います。またそれぞれの患者さんに適した輸液の処方内容を提案したり、治療に必要なビタミンやミネラルなどが不足していないか、使用している薬品が正しく使われているかチェックを行っています。
2006年全科型NST稼働に伴い臨床検査技師もチ－ム医療の一員として参画しています。4名の臨床検査技師で35チームの病棟NSTを分担しています。臨床の現場である病棟に出向き、栄養指標検査項目をはじめ、各検査結果の推移?変動から患者の栄養状態や病態の問題点?改善点の手掛かりを探索し他職種に説明することが、情報発信源としての臨床検査技師の役割であると思います。
言語聴覚士は、嚥下機能（飲んだり食べたりすること）の検査や訓練を担当しています。嚥下機能の低下があると安全に経口摂取を行うことができず、低栄養?脱水?誤嚥性肺炎などを生じる可能性があります。そのため、栄養療法において経口摂取が可能かどうかは、非常に重要な問題となります。安全な食事内容や食事方法を調整し、可能な限り早期に少量でも経口摂取を開始すること、嚥下機能を担う関連筋群の運動機能の改善を図ることで、全栄養摂取量に占める経口摂取の割合を高めることを目指しています。
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