婦人科には腫瘍分野と生殖医学分野があります。腫瘍分野では子宮頸癌、体癌、卵巣癌などの婦人科悪性腫瘍に対する手術、化学療法、放射線療法を主に行っていますが、子宮筋腫、卵巣嚢腫など良性腫瘍に対する開腹手術や良性卵巣腫瘍、子宮前癌病変、子宮体癌に対する腹腔鏡下手術も行っています。生殖医学分野では、不妊症、婦人科内分泌異常の治療、子宮内膜症、子宮筋腫、卵巣嚢腫など良性疾患に対する保存的治療や腹腔鏡下手術、異所性妊娠に対する薬物療法などを行っています。
子宮頸癌、子宮頸部高度異形成、子宮体癌、子宮内膜増殖症、卵巣癌、卵巣境界悪性腫瘍、絨毛性疾患、外陰癌、腟癌、卵巣腫瘍、子宮筋腫、子宮腺筋症
不妊?不育症、更年期障害?月経異常、異所性妊娠、卵巣腫瘍、子宮内膜症、子宮筋腫、子宮腺筋症、先天性性分化異常
子宮頸がん、子宮体がん、卵巣がんなどの悪性腫瘍に対して、正確な診断を行い、手術療法、化学療法、放射線療法などの治療を行っています。子宮頸がん、子宮体がんに対する低侵襲手術(腹腔鏡下手術、ロボット支援下手術)に積極的に取り組んでおり、良性腫瘍に対するものも含めて低侵襲手術症例数が飛躍的に増加しています。婦人科良性?悪性腫瘍に罹患された患者さんに対して、適応を見極めた上で患者さんとご家族に腹腔鏡でもロボット支援手術でも開腹手術でも適切な術式を提案し、希望する術式をどれでも提供できる体制を整えています。進行卵巣がんであるIII期?IV期卵巣がんのほとんどが腹腔内全体に播種腫瘍が拡がる状態で発見されますが、この場合に初回手術において肉眼的残存腫瘍なしを達成することで予後が大きく改善されることが明らかになっています。腹膜播種病変を有する進行卵巣がん手術において、残存腫瘍なしを達成するためには、60~90%の症例で直腸など消化管の合併切除、肝臓や横隔膜などの切除が必要になります。当科では、これら消化管の合併切除、横隔膜などの切除を積極的に行い標準術式化しています。進行卵巣がんに対する残存腫瘍なしを目指した手術の質は、確実性?安全性の面から国内はもちろん国際的にも先進的であると自負しています。また、国内、海外施設も含めた国際的な多施設共同臨床試験に参加しており、より有効ながん治療の開発を目指しています。
生殖医療分野では不妊症で悩んでいるご夫婦やこれから妊娠を希望されるご夫婦に、不妊症のスクリーニング検査を行っています。
血液検査やエコー検査、子宮鏡検査、子宮卵管造影検査、精液検査などを行います。検査を通して、ご夫婦にとって最適な治療法を一緒に考え提案させて頂きます。
2022年4月から保険適用となりました生殖補助医療(採卵、体外受精、胚移植)も積極的に行っています。
近年は着床障害の原因となる子宮内膜ポリープや粘膜下筋腫に対する子宮鏡下手術や、慢性子宮内膜炎所見の確認など子宮鏡検査にも力を入れています。
また、女性ヘルスケア領域も担当しています。月経異常をきたす子宮筋腫、子宮内膜ポリープ、子宮内膜症をはじめ、先天性性分化異常、子宮形態異常、女性内分泌疾患や異所性妊娠、絨毛疾患、仮性動脈瘤、胎盤遺残、更年期障害など、多岐にわたる領域を診療しています。
合併症のある患者さんに対しても、必要に応じて当該診療科と連携を取りながら、大学病院ならではの治療を提供させていただきます。
大学病院としましても、学生教育や研修医の勉強会、生殖専門医の育成、学会発表や論文発表を通じ知識の研鑽にも努めています。
現在該当なし。
2023年 | 2022年 | 2021年 | 2020年 | |
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採卵術 | 67 | 62 | 58 | 59 |
内、顕微授精 | 9 | 4 | 12 | 4 |
移植術 | 60 | 91 | 37 | 36 |
腹腔鏡下手術(注1) | 60 | 78 | 73 | 71 |
子宮鏡下手術(注2) | 39 | 22 | 22 | 10 |
開腹手術(注3) | 23 | 12 | 9 | 1 |
2024年 | 2023年 | 2022年 | 2021年 | 2020年 |
---|---|---|---|---|
59 | 64 | 61 | 61 | 69 |
2024年 | 2023年 | 2022年 | 2021年 | 2020年 | |
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手術 | |||||
開腹手術 | 21 | 21 | 32 | 20 | 35 |
腹腔鏡下手術 | 7 | 4 | 6 | 4 | 1 |
同時化学放射線療法 | 19 | 19 | 13 | 20 | 13 |
放射線単独療法 | 6 | 13 | 7 | 14 | 14 |
化学療法 | 5 | 7 | 3 | 3 | 6 |
2024年 | 2023年 | 2022年 | 2021年 | 2020年 | |
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手術 | |||||
円錐切除術 | 20 | 23 | 39 | 38 | 27 |
レーザー蒸散手術 | 3 | 3 | 1 | 0 | 0 |
腹腔鏡手術 | 16 | 14 | 10 | 5 | 10 |
ロボット支援下手術 | 9 | 7 | 4 | 10 | 1 |
開腹手術 | 1 | 0 | 3 | 0 | 1 |
2024年 | 2023年 | 2022年 | 2021年 | 2020年 |
---|---|---|---|---|
91 | 89 | 91 | 80 | 79 |
2024年 | 2023年 | 2022年 | 2021年 | 2020年 | |
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手術 | |||||
開腹手術 | 37 | 30 | 37 | 46 | 56 |
腹腔鏡下手術 | 18 | 23 | 20 | 11 | 15 |
ロボット支援下手術 | 36 | 35 | 33 | 23 | 5 |
放射線単独療法 | 0 | 1 | 0 | 0 | 0 |
化学療法 | 0 | 0 | 1 | 0 | 3 |
2024年 | 2023年 | 2022年 | 2021年 | 2020年 |
---|---|---|---|---|
49 | 55 | 63 | 58 | 42 |
2024年 | 2023年 | 2022年 | 2021年 | 2020年 |
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20 | 18 | 18 | 11 | 18 |
当科は完全紹介?予約制です。受診には紹介元医療機関からのお申し込みが必要となります。
詳しくは下記「ご紹介時のお願い」をご確認ください。
婦人科では先生方からご紹介いただく患者さんの事前予約サービスを実施しています。紹介患者さんを事前に予約することにより診察待ち時間を短縮させ、患者さんへのサービスと円滑な病診連携を目指すものです。
地域の先生方から当院の担当者に直接電話でご依頼をいただき、予約時間を設定させていただきます。
2020年4月1日より、婦人科の初診外来は、腫瘍部門?リプロダクション部門ともに、原則として、医療機関からの紹介による完全予約制とさせていただきますので、ご紹介の際には、下記の手順で医療機関よりご予約をお取りください。
トータルサポートセンター 地域連携室
電話番号:042-778-9988(医療機関専用) ファックス番号:042-778-8235