森山俊介先生
教授
森山 俊介
Shunsuke
Moriyama

主な研究テーマ

魚介類の成長、適応や成熟を制御する生理活性因子の機能とメカニズムに関する研究

食糧資源として重要な魚介類の生産力や機能性を高めることに繋がる水産増養殖技術を開発する上で、対象とする魚介類の成長、適応や成熟を制御するホルモンをはし?めとする生理活性因子の機能や働く仕組みに関する学術的な知見は極めて重要な役割を果たします。 本研究では、サケ科魚類やチョウザメなどの魚類、また、アワビやナマコなど、魚介類の成長、適応、代謝や成熟に関与する生理活性因子を網羅的に解析し、それら因子の機能および働く仕組みの解明を目指します。
森山俊介01魚類の成長の調節機構
森山俊介02アワビの性成熟の調節機構

魚介類の生育や身入りを促すバイオマス飼料の開発および飼育環境の整備に関する研究

近年、海洋環境が激変していることに伴って、魚介類の漁獲量は激減の一途を辿っています。この様な状況下、食糧資源として重要な魚介類を持続的に安定して生産することに繋がる水産増養殖の果たす役割は、益々、高まっています。その一方で、水産物、農作物や畜産物の加工後に生じる加工残滓には機能性に富む成分が豊富に含まれているにも関わらず、殆ど廃棄処分されています。本研究では、食品加工残滓に含まる成分の機能性を解析し、これらを配合した機能性飼料の開発を目指します。さらに、バイオマス飼料を有効活用することによるサケ?マスやチョウザメ、また、アワビ、ウニやナマコなど産業上重要な魚介類の生育や身入りを促す増養殖技術の開発を目指します。
森山俊介03サケ頭部に含まれる機能性成分
森山俊介04サケ頭部の機能性タンパク質の効果

担当科目 

1年次生対象海洋生命科学概論(必修:分担)数名の教員が分担して講義を行います。私は「化学的コミュニケーション」という題で講義しています。
2年次生対象なし
3年次生対象魚類栄養学(選択)食糧資源として重要な魚類を養殖するための適切な飼料について解説します。
海洋生命工学(選択)海洋生物の優れた能力を利用するための生命工学の必要性と活用法、また倫理観や自然環境に及ほ?す影響なと?について解説します。
4年次生対象卒業論文(必修)魚介類の生命現象や養殖技術に関する最新の研究を、一人一課題で行います。
海洋生命科学演習定期的に、研究内容に関係する文献の紹介や研究成果を発表するセミナーを行います。そのための要旨やパワーポイントを作成します。
大学院(修士課程)水族機能生物学特論海洋生物か?有する機能性素材について、最近の知見を紹介するとともに、海洋生物由来の機能性素材について理解を深め、今後の展開について講義する能力の習得を図ります。
水族機能生物学演習魚介類の成長、適応や繁殖なと?の生命現象に関わる生理活性物質の機能と作用機序に関連した書籍や学術論文を検索?収集し、重要な論文を査読して研究概要をまとめ、セミナー等て?の論文内容の紹介を通して、問題点の発見や新知見の客観性について議論て?きる能力の向上を目指します。
水族機能生物学実験海洋生物の多様な生命現象に関与する機能性物質の同定に関する研究を行うために必要となる生化学的およひ?分子生物学的な研究技術の習得、また、研究技法の原理と操作方法を習熟させるとともに実験テ?ータの解析方法の習得を図ります。これらを通して修士論文として取りまとめ、一つの課題を解決する能力の習得を図ります。
水族機能生性成分利用特論魚介類なと?含まれているタンハ?ク質を食糧として捉えるのではなく、魚介類の発達、成長、適応や繁殖なと?を促進させる機能性タンハ?ク質?ヘ?フ?チト?として応用するために必要な最新の情報?知見の習得を図ります。
大学院(博士後期課程)水族機能生物学特別講義魚介類の発達、成長、適応や繁殖なと?に関与する機能性タンハ?ク質?ヘ?フ?チト?の機能およひ?作用機序の最新の情報?知見を理解するとともに、機能性タンハ?ク質?ヘ?フ?チト?を水産増養殖に応用について考察する能力の習得を図ります。
水族機能生物学特別演習研究テーマのみならす?周辺分野に関連する文献、情報の調査?収集およひ?整理、テ?ータヘ?ース化を図り、得られた情報を実験結果と比較?検討しつつ研究の成果を客観的に評価て?きる能力の養成を図ります。さらに研究成果の取りまとめ、口頭発表およひ?博士論文の作成を通して研究者としての能力の養成を図ります。
水族機能生物学特別実験魚介類の機能性タンハ?ク質?ヘ?フ?チト?の機能と作用機序に関する高度な研究を遂行ために必要な最新の生化学的およひ?分子生物学的な実験手法やテ?ータ解析法なの専門的技術の習得を図り、それらを研究テーマに活用して博士論文の作成を目指します。

経歴?業績等

主な経歴

  • 博狗体育在线_狗博体育直播【官方授权网站】@大学院水産学研究科博士後期課程修了
  • 日本学術振興会特別研究員
  • 日本学術振興会海外特別研究員
  • アメリカ合衆国ワシントン大学博士研究員
  • 科学技術庁化学特別研究員
  • 博狗体育在线_狗博体育直播【官方授权网站】@水産学部講師
  • 博狗体育在线_狗博体育直播【官方授权网站】@海洋生命科学部准教授

主な業績

著書
  • 森山俊介, 清水宗敬.(分担執筆)成長と成熟の物質代謝、成長?成熟?性決定?継? (ホルモンから見た生命現象と進化シリーズ第3巻)(伊藤道彦、高橋明義編), 裳華房, 東京, pp.10-25, 2016.
  • 森山俊介.(分担執筆)機能性飼料とマイクロバブルによる試験研究. 三陸のサケ 復興シンボル (上田 宏編), 北海道大学出版会, 北海道, pp.51-69, 2015.
論文
  • Yada Y, Abe M, Kaifu K, Yokouchi K, Fukuda N, Kodama S, Hakoyama H, Ogoshi M, Kaiya K, Sakamoto T, Moriyama S, Tsukamoto K. Ghrelin and food acquisition in wild and cultured Japanese eel (Anguilla japonica). Comp. Biochem. Physiol. Part.A. Online Version, 2020.
  • Koyama M, Furukawa F, Koga Y, Funayama S, Furukawa S, Baba O, Lin CC, Hwang PP, Moriyama S, Okumura S. Gluconeogenesis and glycogen metabolism during development of Pacific abalone, Haliotis discus hannai. Am. J. Physiol. Regul. Integr.Comp. Physiol. 318, R619-R633, 2020.
  • Adachi K, Suzuki T, Okumura S, Funayama S, Moriyama S. Influence of the 2011 Tohoku tsunami on the genetic structure of wild sea urchin (Mesocentrotus nudus) populations in Sanriku, Japan. Marine Ecol. Online Version, 2020.
  • Funayama S, Kawashima Y, Saito T, Furukawa S, Kodera Y, Moriyama S. Identification and function of GnRH-like peptide in the Pacific abalone, Haliotis discus hannai. Zool. Sci. 36, 339-347, 2019.
  • Adachi K, Arai K, Pena MR de la, Moriyama S, Okumura S. Evolution of genome size within the genus Haliotis (Vetigastropoda: Haliotidae). J. Shellfish Res. 37, 1067-1072, 2018
  • Adachi K, Okumura S, Moriyama S. Genetic structure of Japanese sea cucumbers (Apostichopus japonicus) along the Sanriku coast supports the effect of earthquakes and related tsunamis. Genetica, 146, 497-503, 2018.
  • Adachi K, Okumura T, Okumura S, Moriyama S. The Genetic Structure of Natural Abalone Haliotis discus hannai Populations in Sanriku, Japan, after the 2011 off the Pacific Coast of Tohoku Earthquake. Fish. Genet. Breed. Sci. 46, 15-22, 2016.
  • Yamaguchi Y, Moriyama S, Lerner DT, Grau EG,Seale AP. Autocrine positive feedback regulation of prolactin release from tilapia prolactin cells and its modulation by extracellular osmolality. Endocrinology, 157, 3505-3516, 2016.