増殖生物学講座水族育種生物学研究室
研究内容
生物の生態を分子生物学的?生理学的に解明する。
生物多様性の理解と同時に,育種に有用な形質を見出すことを目標として,動物プランクトン(ツボワムシ属)および魚類(ウナギ属,イカナゴ属,ウグイ属,コンニャクウオ属)を主な対象に,野生個体群の観察から飼育実験,遺伝子解析まで幅広い手法で生態の研究を行っています.ワムシ属では獲得形質の遺伝現象も研究しています.また,水産増殖や種苗生産(人工採卵~稚魚育成まで)への応用を目指して,様々な魚介類(ゼブラフィッシュ,フグ,チョウザメ,サメ,アワビ,イカの仲間など)を用いて,発生過程や卵形成過程の栄養代謝メカニズムを研究しています.卵や仔稚魚の中で「どの栄養素がどのように使われているのか」を分子生物学的?生理学的に解明することで,これを利用した養殖や種苗生産が可能になることが期待されます.さらに,こうした研究と並行して,ウナギの蒲焼など水産物をDNA解析により種同定して,天然資源の持続的利用への貢献を目指した市場調査も行っています.主な研究テーマ
- ツボワムシ属の生活史変異と獲得形質の遺伝
- イカナゴ属魚類の行動生態と遺伝的多様性
- ウナギ属魚類,コンニャクウオ属の生態
- ゼブラフィッシュ卵母細胞の糖代謝
- ゼブラフィッシュ胚の環境適応機構
- 魚類および無脊椎動物における発生初期の卵黄代謝の進化