環境生物学講座
海洋無脊椎動物学研究室
海洋無脊椎動物学研究室といいながらも...
研究する対象は、無脊椎動物学研究室ですので、無脊椎動物を主に研究しています。でも、仔魚?稚魚?幼魚も対象としています。また、海洋といいながらも、マミズクラゲや淡水性のコケムシなど陸水の生物も扱います。ハナタ?カウミクワカ?タ
サカ?ミユヒ?ヤワコケムシ
ベニクラゲ
フトヒケ?カマキリヨコエヒ?
ウミエラ属の一種
カミクラケ?
ムラサキウニ
ヒモイカリナマコ
研究対象生物がいるところならどこでも行く!
生物の分類や生態の研究を行うときには、その対象種がいつ、どこで、どのようにして生きているのかを知らなければなりません。そのためには自分の研究対象生物は自分で採集するのが原則です。
調査フィールドは、近くの相模湾はもちろん、三陸や能登、鹿児島、トカラ列島、南西諸島、沖縄の海、伊豆、小笠原海域、西之島などの浅海から深海が主なフィールドになっています。また、タイやマレーシアなどの東南アジアの国々で調査も行います。
調査の方法も、岸壁から採集したり磯採集したり、当学部の保有する小型船、研究機関の研究船や他大学の所有する大型の練習船に乗船したり、ROVを使ったり、ダイビングしたりとさまざまです。
東南アジアの国々でクラゲ採集
ROVて?海底を観察
練習船から
潜水調査
何でも飼ってみる
研究対象だけを観察していても、何が他と同じなのか、違うのかが分かりません。いろいろな生物を飼育観察することで、生物を観察する目を養います。
研究室にはクラゲ類、甲殻類、棘皮動物など様々な生物が飼育され、世界中どこを探してもここにしかいないという種もいます。
これらの生物を研究室全体で、維持管理しています。
タイワンホウキガニ
ナデシコクラゲのポリプ
チコ?ケムシ
研究テーマ
水生無脊椎動物の分類学的研究
地球上には多種多様な生物が存在し、日本の沿岸域にも未だ人に知られていない生物が多数生息しています。これら生物の名前がわからなければ、その先の研究は成り立ちません。本テーマでは、日本各地で採集された無脊椎動物を対象に、既存の標本や新たに採集する標本にもとづく形態観察?分子系統解析を行うとともに、国内外の博物館に保管されている標本や文献情報に基づいて分類することで、日本の沿岸域の生物多様性解明を目指します。- 日本産クラゲ類の分類
- 東南アジア産のクラゲ類の分類
- クラゲムシ類の分類
- オタマボヤ類の分類
- ミズクラゲ類の種分化
- コケムシ類の系統分類
- 箒虫?腕足動物の系統分類
- 六放?八放サンゴ類の分類
- 棘皮動物の分類
底生無脊椎動物の生活史と行動に関する研究
海底に暮らす無脊椎動物の生活史や行動は、その生物が生息する環境と大きく関わっています。環境が大きく異なれば、同種内であってもその様式は多様に変化するとも考えられます。本テーマでは、底生無脊椎動物の生活史や行動と海洋環境との関連を、野外調査と飼育実験により調べます。- 立方クラゲ類の生態
- クラゲ類の光生物学
- クラゲ形成に関する研究
- 東南アジア産のクラゲ類の生活史
- 刺胞動物の自己?非自己に関する研究
- ヒドロ虫と他生物との共生関係
- コケムシやワレカラ、ナマコなどの懸濁物食者の摂餌生態
- コケムシやホヤなどの群体性動物の休眠に関する研究
- 棘皮動物の再生に関する研究
沿岸域に生息する底生無脊椎動物の出現動態に関する調査研究
海底や養殖施設に固着する動物(付着生物)やそこに棲み込む小型甲殻類の分布や種組成の動態を明らかにすることを目的として、三陸沿岸域を中心として長期モニタリングを実施しています。また、底生無脊椎動物そのものを採集して調査するだけでなく、浮遊幼生期を得るためのプランクトン調査や、生息環境水中に含まれる環境DNAを対象とした調査も実施します。- ミズクラゲのポリプおよびエフィラの個体群動態
- 立方クラゲ類の個体群動態
- 付着生物の出現動態と海洋環境との関係
- コケムシが形成する群集に棲み込む小型生物の多様性
- 環境DNAを用いた付着生物の個体群動態に関する研究
- 特定海域の底生無脊椎動物の種組成と多様性に関する調査研究
深海生態系に関する研究
深海生態系の中でも特に中?深層の生物、化学合生態系(熱水噴出域、湧水域、鯨骨生物群集)の生物を扱い、その生物多様性、物質循環、生活史、極限環境への適応、共生などの研究を行うとともに、深海生物の飼育方法の開発をおこなう。- 深海性甲殻類の初期生活史の解明
- 深海生物の幼生分散
- 深海性クラゲ類の分布解析
- 深海性クラゲ類の生活史解析
- 深海性生物の保全
- 深海性底生生物の遺伝的多様性
- サウンドスケープ