増殖生物学講座水族増殖学研究室
研究内容
魚類の繁殖を研究して、水産資源の未来を拓く。
私たちはウナギの幼魚が群れで河川を?上していく過程で穴居生活を始めること、この生態変化の時期に集団で飼育するとストレスホルモンの分泌が増加し、それが雌への分化を抑制している可能性を見出しました。本研究から魚類における新たな性決定環境因子の発見が期待できます。このように魚類の繁殖について研究することで、減少していく水産資源の増殖と持続的な利用を目指しています。進化の目線から魚の社会と繁殖を理解し、応用に資する基礎の拡充を目指す。
魚にも私たちヒトと同じように、自身が置かれている社会的な状況や出会った相手が誰であるかを認識し、その場に応じた行動を選択する能力を持つ種がいます。こうした社会的な行動は、なぜ?どのように進化してきたのでしょうか。また、それは私たちヒトが持つ社会的感性と似たメカニズムによって制御されているのでしょうか。これらの疑問に答えるべく、生態、行動、脳、生理、分子、遺伝子、さらにはDNA解析など、多角的なアプローチで進化の謎を解明しています。さらに、これら基礎研究の成果を、水産資源管理や養殖現場へ応用する取り組みにも力を入れています。
