増殖生物学講座水族病理学研究室
研究内容
病原体と戦う、魚の防御機能を解明する。
水中には空気中よりもはるかに多くの病原体が存在します。その中で魚類や無脊椎動物がどのように病原体から身を守っているのか。テーマは多岐にわたりますが、そのうちの2つを紹介します。体表の防御機構
陸上脊椎動物の体表は角質層で覆われており、病原体は容易に侵入できません。一方、水中の動物の表皮は生きた細胞でのみ構成されています。そのため魚類は粘液中に様々な防御物質を分泌して体を守っています。これらを見つけ、働きを調べています。無脊椎動物の体表防御機構はほとんど未解明な中、ナマコやウニの体表に存在する防御物質を発見しました。トラフグの寄生虫の宿主認識機構
トラフグの鰈にはヘテロボツリウムという寄生虫が寄生し、養殖に大きな被害を与えています。この寄生虫は近縁種のトラフグなどには寄生せず、宿主をどう見分けているかは長い間謎のままでした。近年、私たちは、この寄生虫の宿主認識に関与する分子を突き止めました。現在、ゲノム編集技術などを用いて、寄生虫がつかないトラフグの作出に取り組んでいます。


