環境生物学講座魚類生態学研究室
研究内容
魚類とそれを取り巻く環境を研究し、SDGs達成に役立てる。
「魚の生きがい」って何でしょう?もちろん、魚たちが人間のような生きがいを感じているかどうかは分かりませんが、魚も生き物なので生きる最大の目的はより多くの子孫を残すことだと思います。その目的を達成するために、生存競争を勝ち抜き、少しでも大きく成長し、より良い繁殖相手を見つける努力をするのです。その過程では、様々な戦術を駆使して捕食者から逃れたり、より多くの餌を食べるために技を使ったり、競争相手と戦って良いなわばりを得たり、繁殖するための巣を作ったりと、種によっていろいろな生きざまが見られます。私たちの研究室では、そのような魚たちの生活やそれに関連する生き物を研究し、生物資源としての魚類はもちろん、多様な生物が暮らす環境を守る方策を考えます。例えば、ダムによって環境が変化した川を少しでも元に戻すために魚や水生昆虫、堆積物を分析したり、生命のゆりかごアマモ場で稚魚たちがどのように暮らしているのかを知るために食性を調べたり、近年日本に帰ってくる数が激減したサケを持続的に利用するために過去40年分のサンプルを分析したりしています。そのために水中に潜ったり、網などを使ったり、ドローンやソナーを使ったりしますが、フィールドでの調査は様々な力が育まれる良い鍛錬の場でもあります。ラボでは、顕微鏡やレントゲンでの観察はもちろん、耳石や鱗の分析、遺伝子や安定同位体の分析など、最新技術を用います。これらの研究を通して、多様な生物とそれを取り巻く環境、ひいては地球全体を守るヒントを探ります。