第509回獣医学科セミナー<外部研究者招聘セミナー>「機械学習を用いた動物行動の自動解析」演者:小林 幸司先生(東京大学大学院農学生命科学研究科)

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2024-06-27
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A棟3階 A31講義室

イベントの概要

以下の通り、第509回獣医学科セミナー<外部研究者招聘セミナー>を開催します。

多数ご参集くださいますようお願いいたします。

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第509回獣医学科セミナー<外部研究者招聘セミナー>

【開催日】 6月27日(木)

【会 場】 A棟3階 A31講義室

【時 間】 17:00~

【演 者】 小林 幸司先生(東京大学大学院農学生命科学研究科)

【タイトル】機械学習を用いた動物行動の自動解析

【要 旨】 

動物の行動は、彼らの身体的?精神的な状態を反映して変化するため、私たちは動物の行動を観察することで様々な情報を間接的に得ることができます。そのため、中枢神経系機能や疾患モデル動物の病態の解析、創薬研究など幅広い分野において実験動物の行動観察が行われています。現在の動物行動実験のほとんどは、研究者が自らの目で動物を観察し、特定の行動の回数や持続時間を測定することで行われています。しかし、このような方法は客観性や再現性に問題があるだけでなく、多大な集中力を必要とするため、長期間にわたる評価や夜間の観察を行うことが困難です。また、時には特殊な装置や高価な機械が必要であり、実験にかかるコストや実験動物が受ける負荷も課題です。実験動物の行動を自動的、かつ、高精度に解析できれば最低限のサンプルサイズで客観性、再現性の高いデータを長期間にわたって得ることができると期待されています。

近年、人工知能、そのなかでも機械学習と呼ばれる分野の発展が目覚ましく、その技術は画像認識や自動翻訳、文章作成、タンパク質の構造予測など、広く用いられるようになってきました。動物行動解析の分野においても優れたツールが開発されていますが、実際の研究に利用された例は多くありません。また、人工知能や機械学習という言葉は独り歩きしがちで、過剰な期待が寄せられたり、逆に極端に過小評価されたりと実情に沿った評価がなされてないのも現状です。本セミナーでは、私たちの研究室で開発された方法の紹介を交えて、機械学習と、その動物行動解析への応用についてお話しさせていただきます。

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