第513回獣医学科セミナー<Facultyセミナー>「狂犬病の新規診断法とネットワークを利用したリモートパソロジーの紹介」演者:朴 天鎬先生(獣医病理学研究室)

?
2024-08-07
?
17:00
?
A棟3階 A31講義室

イベントの概要

以下の通り、第513回獣医学科セミナー< Facultyセミナー>を開催します。

多数ご参集くださいますようお願いいたします。

?

第513回獣医学科セミナー< Facultyセミナー>

【開催日】 8月7日(水)

【会 場】 A棟3階 A31講義室

【時 間】 17:00~

【演 者】  ?朴 天鎬先生(獣医病理学研究室)

【タイトル】狂犬病の新規診断法とネットワークを利用したリモートパソロジーの紹介

【要 旨】

 狂犬病は狂犬病ウイルスに感染した犬やその他の動物の咬傷によって引き起こされる人獣共通感染症である。狂犬病による死者は年間約60,000人と推定される。死者の大部分はアジアとアフリカの途上国が占める。これらの国から狂犬病がなくならない理由は加害動物が狂犬病ウイルスに感染しているかを正確に診断?報告するサーベイシステムが整備されていないことや狂犬病対策に莫大なコストがかかることが挙げられる。現在、咬傷を受けた患者への暴露後予防接種の判断に必要となる犬等加害動物の確定診断法として、新鮮な脳組織のスタンプ標本を用いた直接蛍光抗体法が世界標準として推奨されている。しかしながら、蛍光顕微鏡や蛍光抗体の購入、保守点検、標本観察のための暗室などの設備には多大な投資が必要でフィリピンなど途上国には経済的負担が大きく診断ラボの維持がジレンマとなっている。

今回のセミナーでは、フィリピンの熱帯医学研究所RITMと共同で開発した狂犬病発症犬の鼻頬部洞毛と鼻鏡部粘膜を用いた新規診断法について解説します。また、COVID-19流行時に取り入れたネットワークシステムを用いたリモート病理研修の試みについて紹介します。

?