第526回獣医学科セミナー<Facultyセミナー>「ヒト食いバクテリアの病原機構の解明」山﨑 浩平 先生(獣医公衆衛生学研究室)

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2025-02-05
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17:00
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2月5日(水)

イベントの概要

以下の通り、第526回獣医学科セミナー<Facultyセミナー>を開催します。

第526回獣医学科セミナー<Facultyセミナー>

【開催日】 2月5日(水)

【会 場】 A棟2階 A21講義室

【時 間】 17:00?

【演 者】 山﨑 浩平 ?先生(獣医公衆衛生学研究室)

【タイトル】ヒト食いバクテリアの病原機構の解明

【要 旨】

獣医公衆衛生学研究室では、壊死性軟部組織感染症(Necrotizing Soft Tissue Infection:NSTI)を引き起こし、「ヒト食いバクテリア」として知られる病原細菌の病原機構を解明し、感染の進行を抑制することで外科的介入の必要性を低減し、患者の予後を改善可能な治療法および感染制御法の確立を目指している。NSTIは急速に進行し、短時間で重篤な全身症状を引き起こす致死的な感染症である。現在の治療法は、感染巣の外科的切除や断脚、抗菌薬投与が中心だが、感染の進行が極めて速いため迅速な対応が求められる。しかし、これらの侵襲的な処置は患者のQOL(生活の質)に大きな影響を与えるため、より効果的で身体的負担の少ない治療法の開発が急務となっている。特に、地球温暖化の影響で感染リスクが高まっているVibrio vulnificusAeromonas属菌に注目し、詳細な病原機構の解明に取り組んでいる。

今回の発表では、以下の二つのテーマについて、これまでの研究成果と今後の展望を報告する。

1. Aeromonas属菌感染症の重症化に関与する因子の同定と解析

Aeromonas属菌は毒素や酵素を分泌することで宿主細胞を傷害し、感染を拡大させる。本研究では、マウスモデルを用いたスクリーニングにより細胞傷害性因子を選抜し、生体内におけるその役割を明らかにすることで、NSTIの重症化に関与する機構の解明に取り組んでいる。

2. Vibrio vulnificus腸管感染モデルの構築と増殖因子の探索
Vibrio vulnificusの経口感染における腸管内での定着?増殖機構を明らかにするため、マウスを用いた腸管感染モデルを構築し、菌の増殖に関与する因子の同定を行っている。

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