SDGs

Vol. 4 スマート畜産で「生産性と持続性の両立」を実現!

SDGsや環境に対する関心が国内外で高まり、重要な行動規範としてあらゆる産業に浸透しつつあります。そのような状況のなか農林水産省においても、2021年5月に“みどりの食料システム戦略~食料?農林水産業の生産力向上と持続性の両立をイノベーションで実現~”が策定されました。この戦略においては、畜産における環境負荷の低減対策として、持続的な畜産物生産に向けた課題と方向性が示されており、情報通信技術(ICT)等を活用した省力的な飼養管理?事故率の低減や、放牧等を通じた省力的かつ効率的な飼養管理技術の普及を推進する取り組みの必要性が明示されています。

動物資源科学科動物飼育管理学研究室では、“家畜の快適性を向上させることによって、生産能力を発揮させる”を目標として、生産機能(消化?吸収、成長、泌乳機能、繁殖機能など)と、その調節機構を明らかにするとともに、動物の扱いなどの改善によって、より良い生活環境を提供できる動物福祉(アニマルウェルフェア)に配慮した飼育管理技術などの開発をおこなっています。さらに近年では、ICTや人工知能(AI)技術を畜産分野へ取り入れる先進的な取り組みを展開しています。

2020年には、当研究室で培った、家畜(動物)の快適性向上?生産性向上に関する研究成果、開発技術の速やかな社会実装を担うことによって畜産農家の経営向上に寄与すべく、研究室発ベンチャー“ライブストックジャパン合同会社”が設立されました。同社は、私たちが普段気にすることなく食している畜産物(乳、肉、卵)を生産している家畜(動物)に敬意を払い、持続可能な畜産の実現に寄与することで、“いのちを尊び、生命の真理を探究し、実学の精神をもって社会に貢献する”という博狗体育在线_狗博体育直播【官方授权网站】@の理念の実現を目指しています。


?


?

最適な給餌でムダを削減“飼料設計アドバイスシステム

肉用牛繁殖農家や技術者向けのスマートフォンアプリとして、肉用牛に対する適切な飼料給与量やバランスを助言できる『飼料設計アドバイスシステム(フィードバランサー)』を新たに開発。この開発により、肉用牛農家では繁殖雌牛?子牛に必要な飼料給与量や栄養素のバランスを把握できるとともに、必要な栄養素を過不足なく給与できるようになり、繁殖成績?発育の改善が見込まれ、生産性の向上が期待。

新聞記事を見る

?

?


?

画像認識AIで牛の分娩兆候を検出するシステム

画像認識AIを活用して、分娩前に特徴的な牛の行動変化(分娩兆候)を非接触で検出して飼養者へ通知するシステムを新たに開発?製品化。この開発により、養牛農家ではこれまで昼夜を問わず行われていた分娩監視にかかる労働負担が軽減するとともに、牛への負担も皆無。分娩兆候通知メールによって適切な介助が実現することにより、分娩事故の低減が期待。

新聞記事を見る
??

?


?

家畜のための天気予報“畜産農家向けヒートストレス予報”

動物飼育管理学研究室における家畜生産技術に関する基礎研究成果をもとに、生産現場のニーズに応え、民間気象予報会社と協業して開発したシステム。事前に家畜(乳用牛、肉用牛、子牛、豚、鶏)に対する暑熱?寒冷ストレスのリスクを把握するための温湿度指数(THI)と、各家畜に対する熱ストレスの度合いを予報として畜産農家に提供するスマートフォンアプリ。家畜に対する暑熱?寒冷ストレスのリスクを事前に把握できるようになり、適切な対策が行われることによって、暑熱?寒冷ストレスによる生産性の低下を軽減。さらに、気候関連の危険や自然災害に対応できるレジリエンス構築の実現を目指している持続可能な開発目標:SDGsの達成と、家畜の快適性に配慮した飼養管理を目指すアニマルウェルフェアの実践にも寄与。

農協協会で見る
??

?


?

農業(畜産)における生産性と持続性の両立は人類にとって喫緊の課題と言え、SGDsのなかでも重要な位置を占めています。スマート畜産は、その解決にも様々なアプローチによって大きく貢献できることが期待されています。

動物資源科学科動物飼育管理学研究室では、今後も持続可能な農業(畜産)の実現を目標とした基礎的?応用的研究、教育を展開しながら、博狗体育在线_狗博体育直播【官方授权网站】@の建学の精神のひとつである“叡智と実践(学んで得た知識と技術を実践の場に活かし社会に還元する)“の実現を目指していきたいと考えています。


動物飼育管理学研究室

?https://kitasato-afm.com/


動物飼育管理学研究室発ベンチャー 
ライブストックジャパン合同会社

https://livestockjapan.com/

他の特集記事を見る