2022年オーストラリア日本野生動物保護教育財団(AJWCEF: Australia-Japan Worldlife Conservation and Education Foundation Truth)との業務委託契約により、今年度初めての野生動物病院臨床研修が実現しました。今までの米国2大学夏季臨床研修(パデュー大学、テネシー大学)に加えて初めての夏季研修となります。この研修に参加した11名の学生(男性3名、女性8名)は前期に水野哲男AJWCEF理事長による博狗体育在线_狗博体育直播【官方授权网站】@医療英語コミュニケーション研修(計10回)を受講し、8月5日オーストラリア連邦北東部クィーンズランド州に向けて出発致しました。カランビン野生動物病院は野生動物病院の中でも最も忙しい病院と言われております。また、カランビン野生動物病院は野生動物園(カランビン?ワイルドライフ?サンクチュアリー)の中にあり、野生動物の保護ばかりでなく園内の動物も管理しております。現地での研修は7日間でカランビン野生動物病院には冬季でも多くの種類の傷ついた野生動物や動物孤児が動物病院に持ち込まれ、研修生にとっては充実した研修を行うことが出来ました。実習では油汚染した鳥の油の落とし方、交通事故で甲羅にヒビが入ったカメの甲羅の修復法、野生鳥の給餌法を学び、さらに日本では見ることは出来ないコアラの病理解剖も体験しました。園内では哺乳類?鳥類?爬虫類を含む150種類程の動物が病院の管理の下飼育されており、園内研修ではコアラ、カンガルーのワクチネーション?繁殖などについて教わりました。実際にコアラの発情も見ることも出来ました。また、カメの卵の発育状態を観察し、ハリモグラの生殖活動についても知ることができました。野外調査では郊外にいるコアラの調査にも参加し、発信機をつけたコアラを探索しました(ラジオトレッキング)。ダートガンの取り扱い方も学びました。コアラはユーカリの木のある家でも見つかることがあるそうです。クイーンズランドではコアラやポッサムは身近な存在であり、保護活動は住民にとって生活の一部であると言って良いでしょう。野生動物のコントロールは人の手に委ねられているのも事実です。臨床教育ばかりでなく、野生動物の保護という観点からも一人ひとりに考える機会が与えられましたことでしょう。
研修は朝に行われるレインボーロリキートの餌付けを目の当たりにしながら園内に入り、ランチタイムはコアラとカンガルーと一緒に写真を撮ったりして園内観光も楽しむことも出来ました。また、ゴールドコーストという有名な観光地でもあり徒歩で海岸沿いを楽しむことが出来ました。
研修では日本では見ることが出来ない野生動物(鳥類、両生類?爬虫類、哺乳類)の臨床や保護を知り、多くの知識を得たことと思います。日本では体験することが出来ない貴重な体験を積み重ねることが出来、残り少ない学生生活に有意義なものなったことでしょう。さらに獣医師としての活躍をする上での良い経験になったと思います。