2025年3月21日、本学獣医学部に生殖補助技術センターを設置いたしました。
本学の生殖補助技術に関連する研究の歴史は古く、家畜育種繁殖学講座(現?動物生殖学研究室)の初代教授?豊田裕先生が開発し、1971年発表の「マウス卵子の体外受精に関する研究」の中で紹介された培養液(TYH)と体外受精法は、30年以上も再現性の高い方法として世界中で広く利用されてきました。また、牛体外受精においても福田芳詔教授が1990年に安定的に牛体外受精卵を生産する方法を開発?報告し、凍結胚移植による産生作出に成功しています。
このように日本の体外受精研究のパイオニアである本学からは現在までに200名を超える卒業生が「生殖補助医療胚培養士」の認定資格を取得して生殖医療の発展に貢献しています。近年、ヒトのみならず家畜や動物園動物など様々な動物種において、受胎率?産子率の低下が問題となっており、様々な領域で生殖補助技術に深い造詣を有する専門家育成が求められています。
当センターでは本学の学部および大学院学生の生殖補助技術に関する教育のみならず、関連領域の研究を進めるとともに、生殖補助医療や家畜人工授精の現場で活躍する専門家の皆様のリカレント教育にも注力する所存です。胚培養士や家畜人工授精師を志す高校生および臨床現場で悩みをお持ちの実務家の皆さま、ぜひ当センターの門をたたいてください。
センター長 永野 昌志
動物資源科学科動物生殖学研究室 教授
