土壌環境学実験 土場川見学会を振り返って

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~土壌環境学実験 土場川見学会を振り返って~

 去る5月30日(木)、私たち生物環境科学科3年生は土壌環境学実験の一環として青森県北部にある土場川地区へフィールドワークに行ってきました。ここでは、将来も農業で生活していける個人や法人などの経営体を育成することと、農業生産に必要なポンプ場やパイプラインなどの生産基盤づくりを同時進行で工事しています。このうち区画整理と楊排水機を見学してきましたので、これからご報告します。

 皆さんは、この写真を見て何を想像しますか?ヒント:一度は聞いたことがある水をくみ上げるときに使用する道具です。正解はポンプです。このポンプは横軸斜流ポンプという種類のポンプで、とある地点からとある地点まで高低差数メートルの水を上げたいときに使用し、一度に多くの水を上げることができます。写真中央やや右側に見える金色のスクリューが斜めをしてこといるから斜流といい、それに対して、スクリューがポンプと平行に真っすぐに取り付けられているのが横軸軸流ポンプというポンプになります。「名前は似ているけど一体何が違うのか?」ということですが、横軸軸流ポンプは機能的には横軸斜流ポンプと大方同じです。しかし、横軸軸流ポンプは横軸斜流ポンプより水を上げることのできる高さ(揚程)が低い短いという特徴があります。この他にも2つほどのポンプがあります。渦巻きポンプという種類のポンプは高低差100m以上のところに水を上げたいときに使用しますが、一度に水を上げることのできる量は横軸ポンプより少なくなります。

 最後にご紹介するのが、上の写真の縦軸ポンプという種類のポンプです。これは数十メートルの水を上げたい場所に向いており、渦巻きポンプに比較するとよりかは多くの水はを上げないが横軸ポンプより高い水を上げたい地点に使用するポンプです。ここで皆さんお気づきになられましたか? ポンプは高低差が大きいと一度に吸い上げることのできる水量は少なくなります。一方で、水を吸い上げる高低差が小さいと、一度に多量の水を上げることができます。そのようにして、ポンプを使い分けているのです。おもしろいですね。

 見学会最後の場所は、泥炭層が広く分布している軟弱地盤地帯のため農作業が長年にわたって農家が苦しめられた場所です。泥炭土は他の土より水分を多く含み排水性が良くないため、トラクターが泥炭土上を通過すると重さで埋まってしまう現象や地表面付近に水が滞留してしまう現象が発生していました。そこで、転圧という土を押し固める作業をした後に転圧によって地面沈下が発生した層に山砂を入れることによって改善しました。それにより、現在は何の支障もなく農作業をすることが可能になっています。

 授業では画像のみで中々想像しにくいですが、今回の見学会を通して実物などを実際に自分たちの目で見ることによって各々多くのことを学んだ日になったと思います。

今回、ご協力いただいた関係各所の皆さまありがとうございました。

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2024.7.1

生物環境科学科3年

北嶋謙進

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