大学院

疾患モデルマウスから愛玩動物やヒトの治療予防法の開発へ

大学3年次に受けた実験動物学の講義の中で、実験動物を如何に作出するか、如何に基礎研究や応用研究に役立てるかを学び、大学4年次から実験動物学研究室に所属しました。卒業論文研究で研究の面白さを知り、また自分のペースで研究できることもあり大学院への進学を選択しました。研究室では、基礎研究に加え、実験動物の福祉や3Rsの実践法について学び、大学院2年次には、実験動物の管理や獣医学的ケアに関する国際資格である実験動物医学専門医*の資格を取得しました。また、日本学術振興会特別研究員にも採用されました。現在、様々な疾患モデルマウスを開発し、疾患の発症メカニズムの解明を行なっています。特に、獣医師として猫の死因の一位である腎臓病について注力しております。ヒトでも世界人口の10人に1人が腎臓病であるにも関わらず、効果的な治療法は見つかっておりません。私は腎臓病マウスモデルを通じて、愛玩動物やヒトの腎臓病の発症機序を解明し、いつの日か新しい治療法や予防方法の開発につなげたいと思っております。

研究生活は、面白さや楽しさばかりではありません。実験がうまくいかず、予想外の結果に直面したり、理論の構築が難航したりすることもあります。時間や予算の制約、研究の方向性の迷い、結果の解釈の難しさなど、さまざまな困難があります。試行錯誤を繰り返し、軌道修正や実験の改善を行いながら、自分の研究の方向性を見極めていくことに充実感を感じます。また困難を乗り越え、新たな知見を得たときの喜びは格別です。

研究室では佐々木宣哉教授や諸先輩方から助言をいただきながら、自分自身が主体となって研究を進めております。また、学会発表や学術論文への投稿を数多く経験することで研究者のイロハを学ばせてもらっております。まだ博士課程の折り返し地点ですが、進学して本当に良かったと思っています。皆さんも、北里大の獣医学部で研究しませんか。

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*実験動物医学専門医資格、日本獣医病理学専門家協会会員資格、毒性病理学専門家資格を個別に取得される場合は所定のカリキュラムを履修?修得し、さらに各学術分野における学会発表および学術雑誌への受理?掲載が求められると共に専門家として必要な知識?技術および実務経験が必要とされる。2024年度から、これらの資格を希望する大学院生には研修費用など経済的支援を検討して行きます。

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