獣医学科

動物の救急集中治療が一つの分野になることを目指して

みなさん、こんにちは。中村篤史と申します。ぼくは、東京都、TRVA夜間救急動物医療センターで獣医師をしております。夜間救急病院は、重症度の高い症例がたくさん来院し、心肺停止状態で運ばれてくることも多々あるような少し特殊な現場です。TRVAは、2011年に開院し、同年より院長として、診療および現場のリーダーとして仕事をしてきました。

僕が、働き始めた頃は、未だ日本における動物の救急診療という概念が乏しく、一次診療の延長線上の獣医療がなされることが一般的でした。重症例を数多く経験する中で、これまで学んできた獣医療とは異なった優先順位や対処法が必要であると感じ、ペンシルバニア大学やカリフォルニア大学デービス校に赴き、欧米ではすでに救急集中治療が一つの分野として確立されていることに驚きました。2015年頃から、学んだノウハウを自身の経験も含めて、学術集会や講演する活動を始め、2018年に、札幌夜間動物病院の川瀬先生やノースカロライナ州立大学の上田先生と共に、日本獣医集中治療学会を設立しました。救急集中治療は、インフラとしてだけでなく重症例の術後管理、これからの日本の獣医療の発展にもかかせないのため、内科学、外科学など同様に、今後、大学教育でも学べるような一つの分野になるよう取り組んでいこうと思います。

東京で生活し始め、11年が経過しますが、2年生から6年生まで過ごした青森県十和田市は、時々訪れたくなる自然に溢れた思い出深い場所です。大学時代は、サーフィンやスノーボードに明け暮れていました。自然と仲間と恩師の先生に囲まれ過ごした5年間は、僕にとってかけがえのない時間でした。大きな夢を持てたのも、自然の中で遊び、仲間とたくさん語れる時間がたくさんあったからだと思います。都会では絶対に味わえない環境に、身を置くことができたのは、今思えば大きなアドバンテージになったと思います。素晴らしい大学生活をぜひ、自分のものにしてくださいね!

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