― 研究テーマについて教えてください。
?私は「森林生態系における物質循環に関する研究―渓流水中の硝酸イオン濃度に対する土壌中の無機態窒素存在量の影響―」というテーマで卒業論文研究を行いました。
窒素は植物の生長にとって重要な必須元素です。しかしながら、窒素は土壌中に存在しておらず、供給源は大気からの沈着や落葉落枝として土壌表面に蓄積された有機態窒素のみです。これらが微生物の分解によって無機態窒素に変換され、再度植物に吸収されるため、窒素は森林生態系を循環しています。植物に吸収されなかった窒素は、土壌浸透水に伴って溶脱し最終的に渓流水へ流出します。そのため、土壌中の窒素循環は流出する窒素の量に影響します。そこで、青森県七戸町の高瀬側流域において渓流水中の硝酸イオン濃度(窒素濃度)に対する土壌中の無機態窒素存在量の影響を明らかにすることを目的とし、研究を行いました。
― 卒論発表会の感想をお聞かせください。
?土壌中の窒素循環と渓流水中の硝酸イオン濃度との繋がりをわかりやすく説明するために、スライドの修正や発表練習を何度も行いました。また、質問されることを予想して対策をしていました。本番では、練習や対策のおかげで、落ち着いて自分の言葉で発表することができました。
― 研究で一番楽しかった、または、嬉しかったことはなんですか?
?青森の自然豊かなフィールドで季節を感じながら研究できたことが楽しかったです。2月の雪景色から始まり、春の新緑や夏の緑が生い茂った景色など季節が変わると同じ現場でも違う場所のように感じられました。夏の調査では、みんなで現場に生えていたクワの実を食べて、手を真っ赤にしたのは良い思い出です。
― 研究で一番苦しかった、または、苦労したことはなんですか?
?採取してきた土壌試料の根取り作業です。根が入っていると実験結果に影響が出てしまうため、ミリ単位の細かい根まで除去しました。また、呼吸が多くかかるのも影響が出てしまうため、無言で終わりの見えない作業を黙々と行うことに苦労しました。
― 卒論研究の感想をお聞かせください。
?卒論研究を通して、協力することの大切さを改めて学びました。調査から分析、卒論を作成するまで周囲の協力なくしては絶対にできませんでした。また、先生のご指導なくしては卒論を終えることはできませんでした。先生や班のメンバーに感謝の気持ちでいっぱいです。ありがとうございました。
― ありがとうございました。