円錐角膜、感染性角膜炎、角膜混濁、水泡性角膜症、角膜外傷を専門に診療を行っています。これらの症状は、早期に治療を行わないと視力低下を生じることがあります。当外来では、経験豊富な医師が診療を行っており、薬物治療やコンタクトレンズ処方で視力の回復が困難な場合は、角膜移植や羊膜移植を含む最先端の角膜手術も実施しています。
過去に角膜疾患と診断されたものの「治らない」といわれ、症状を我慢し続けている患者さまであっても、医療の進歩により治療が可能かもしれません。角膜疾患で気になることがあれば、あきらめる前にご受診ください。
角膜とは、眼のいちばん表面にある透明な組織です。角膜の透明性を維持するためには、涙液が安定していること、そして角膜と結膜の境界部(角膜輪部)の機能が正常であることが重要です。
角膜中央部が薄くなり、角膜の変形や角膜の混濁のために視力が低下する原因不明の疾患です。中学生頃から発症することが多く報告されています。
細菌、真菌、ウイルス、アカントアメーバなどの病原菌が原因で起きる疾患です。初期症状は眼充血と眼痛のみですが、進行すると角膜表面の上皮欠損をともなう炎症を生じ、潰瘍になります。角膜潰瘍の状態になると、急激な視力低下と自制困難な眼痛を生じることがあります。
生まれつきの遺伝性の病気や感染性角膜潰瘍が原因で角膜に混濁が生じ、視力低下を起こします。眼鏡やコンタクトレンズを装用しても視力の回復が出来ないことがあります。
眼の炎症や白内障などの内眼手術や緑内障治療のための虹彩レーザー治療をうけたことがある方で、角膜混濁をともなう視力低下を起こすケースが日本では多く報告されています。
角膜外傷は、角膜に異物が付着または刺さった状態(角膜異物)で生じます。中でも鉄片が入った場合とアルカリ性の薬物が入った場合は特に注意が必要です。鉄片は一日以上放置すると、角膜鉄錆症といって、角膜表面に錆が残ってしまうことがあります。また、洗剤(特にアルカリ性のもの)が飛入した場合も、緊急に受診する必要があります。洗剤が飛入した際は、すぐに流水で洗眼を行ってから受診してください。
充血、眼痛、視力障害、角膜混濁(黒眼が白く濁る)
角膜疾患の診断には、眼科医による細隙灯顕微鏡検査が重要です。当院では、角膜混濁の症例の診療経過を判断するために、前眼部OCTや角膜内皮細胞の評価を実施しています。これらは治療を進めるための重要な検査です。
症状の進行に伴い角膜の変形が強くなっても、多くの症例ではハードコンタクトレンズを装用することで生活は可能です。ただし、角膜混濁が進行し、視力矯正が困難になった場合は、角膜移植手術の適応となることがあります。
早期に薬物治療を開始することが重要です。確定診断のためには、細菌学的診断と薬剤感受性検査を実施し、抗生剤、抗真菌剤などの点眼、内服、点滴を用いて計画的に薬物治療を実施します。また、症状が進行し角膜潰瘍になると、入院治療が必要になる場合もあります。当院では、細菌、真菌、アカントアメーバなど、どのような角膜感染症でも対応可能です。
角膜混濁や水疱性角膜症になり、薬物治療による回復が困難な場合は、角膜移植手術の適応となります。
眼に薬物や花火などの異物が入った場合は、すぐに流水で洗眼し、なるべく早く眼科を受診してください。特にアルカリ性の薬物(洗剤など)は、重症だと角膜混濁が起こり、視力障害を生じることがあります。
また、角膜に鉄片が飛入した場合(角膜鉄片異物)は、外傷直後であれば鉄片を除去することで治癒しますが、一日以上経過すると角膜に錆が付着する角膜鉄錆症になる場合があります。その場合は錆が残らないよう、専用のドリルで角膜上皮を除去し、治療します。
当院では、眼科当直医がいる場合に限りますが、夜間や休日でも対応可能です。
当院では、角膜センターアイバンクと慶應義塾大学眼球銀行から国内ドナーの斡旋を受け、角膜移植を実施しています。全層角膜移植(角膜のすべての層を移植する方法)のみならず、角膜パーツ移植(傷害されている角膜の部分のみを移植する方法)についても対応しています。
対象年齢
角膜移植を受けることに年齢は関係ありません。高齢の方でも、移植をすることで視力の向上が望める患者さまは手術をお受けいただけます。
ドナーについて
国内ドナーの待機期間ははっきりとは申し上げられませんが、現在約1年ほどです。また、国内ドナーによる角膜移植はすべて健康保険の対象です。
移植後の拒絶反応について
移植後に拒絶反応により視力低下が起きた場合でも、ほとんどの場合は再度角膜移植を受けることができます。
その他
当院にないレーザー機器を用いた治療についても、機器のあるクリニックと提携して手術を実施しています。
今後は羊膜バンクから羊膜の斡旋を受けて、羊膜移植も実施予定です。
担当医の川北哲也医師は、15年にわたり東京歯科大学市川総合病院と慶應義塾大学病院にて角膜疾患の診療に従事し、角膜移植、羊膜移植などの豊富な手術実績があります。2016年4月より当院へ異動し、角膜外来を担当しています。常に最新の治療方法についても習熟していますので、いろいろな治療方法をご提案できます。
氏名 | 役職?専門?出身 | 資格等 |
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川北 哲也 | <役職> 病院長補佐、眼科部長 <専門> 眼科一般、角膜再生医学、白内障、ドライアイ <出身> 金沢大学医学部(1995年卒業) 名古屋大学大学院(2000年修了) | 日本眼科学会眼科専門医?指導医 日本抗加齢医学会専門医 難病指定医 身体障害者福祉法指定医 慶應義塾大学医学部眼科客員講師 日本抗加齢医学会評議員 医学博士 博狗体育在线_狗博体育直播【官方授权网站】@医学部眼科学 教授 |