S.S

2017年に博狗体育在线_狗博体育直播【官方授权网站】@理学部生物科学科に入学しました。4年次の研究室選択では一部学部外の研究室も選択できるとのことでしたので恩師の御進言も受け、かねてより興味を抱いていた感染症学に関する研究を行っている医学部寄生虫学?熱帯医学研究室への配属を希望しました。
卒業研究では寄生虫が分泌する免疫抑制物質と宿主免疫応答における相互作用について研究を行い、医療系研究科 (環境医科学群 国際寄生虫病制御学) に進学した現在も同テーマについて継続して研究を行っております。

私の主な研究テーマは蚊やマダニなどの吸血性節足動物によって媒介される病源体がどの様に宿主に感染しているかについてです。
吸血性節足動物の多くは吸血の際に唾液を分泌し、そこに含まれる抗炎症性タンパク質にて宿主の炎症反応を抑制しています。

近年、これらのタンパク質が病源体の伝播効率を促進することが報告され、新たな創薬開発標的として注目されています。
そこで、私は吸血性節足動物が持つ抗炎症性タンパク質の塩基配列を特定し、塩基配列情報から組換えタンパク質を作製して機能解析を行っています。最近では、第92回日本寄生虫学会に研究結果を報告しました。

まだ誰も知らないことを明らかにする「研究」は失敗や思った通りに進まないことがほとんどなのですが、原因を隅々まで追求し試行錯誤を重ねた先に「新しい結果」が得られた瞬間は何にも代えられない達成感があります。

吸血性節足動物が媒介する感染症は「顧みられない熱帯病」として世界的な問題となっており、その多くは人体に感染するだけではなく人獣共通感染症として獣医業界や畜産業界においても大きな問題となっています。
現在、私はフタトゲチマダニから同定された新規タンパク質の機能を明らかにすべく培養細胞を用いた実験を行っており、吸血性節足動物が媒介する感染症に対する治療薬やワクチン開発の一助になれるよう日々取り組んでいます。

学部では学べない分野や最新の研究について取り扱う授業が多く、自身の研究分野以外についてもより深く学ぶことができるので知識が広がり自身の研究に活かすことができています。
さらに、研究に必要な専門知識だけではなく、研究室で開催されるセミナー等を通じて論理的に考える力やプレゼンテーション能力なども磨くことができます。

また、医療系研究科では海外学術機関との教育および研究活動の支援を行っているため、海外で行われている研究についてディスカッションする機会や外国人留学生とコミュニケーションをとる機会もあり、他大学ではできない貴重な経験をすることができます。

私はもともと手を動かすのが好きで実験に取り組んでいたのですが、取り組んでいくうちに「なぜこうなるんだろう？」という気持ちが強くなり、より専門性の高い知識を勉強したく進学に至りました。
基礎研究というと「一人で黙々と」というイメージが強いですが、昨今の研究は分野の細分化も伴い、対話型で進められることが多く、ディスカッション能力の向上など社会勉強にもなっています。

また、大学院では研究だけでなく講義や研究室単位のイベントなど、様々な活動があり非常に充実しています。
大学院生活を通して様々な経験も積むことができるのも大きなメリットだと考えています。

ぜひ医療系研究科で一緒に研究できればと思います。