医療系研究科在学生と修了生が第11回日本スポーツ理学療法学会学術大会で大会長賞と奨励賞をダブル受賞しました。
本学修士課程2年の佐野佑斗さん(指導教員:高平尚伸 教授)が、第11回日本スポーツ理学療法学会学術大会(2025年1月25日~1月26日:パシフィコ横浜)にて研究発表を行い、奨励賞を、医療系研究科にて修士号を取得した對比地優介さん(現 医療衛生学部特別研究員 指導教員:高平尚伸 教授)が大会長賞を受賞しました。
佐野さんは、『ハムストリング筋持久力を殿部挙上速度で評価する高速片脚ブリッジテストの筋活動特性の検証』について発表を行いました。
概要
ハムストリングの肉ばなれは発症率?再発率の高いスポーツ障害です。
現在のところハムストリングの機能を評価する最適な方法は確立されていません。
佐野さんらは、肉ばなれが高速運動中に発症することに着目し、高速の片脚ブリッジテストがハムストリングの機能を適切に評価できるのではないかと考え、その動作中のハムストリングの筋活動を詳細に検証しました。
その結果、高速の片脚ブリッジテストでは、ハムストリングが特異的に疲労し、それに伴い殿部の挙上速度が減少する関係が明らかになりました。
この評価法が、スポーツ選手の肉ばなれリスクの検出や、損傷後の競技復帰の指標に役立つ可能性が示されました。
對比地さんは、「野球選手における肘関節内側裂隙間距離とRing-down artifact有無との関連」について発表しました。
概要
野球では反復的な投球によって肘関節内側の靱帯が緩みやすくなることが知られています。その程度を観察するために超音波診断装置を用いますが,関節の隙間が拡大した時に出現するRing-down artifact(リング状のノイズ)が肘関節の不安定性を反映すると考えられてきました。
これに対して、對比地さんらは、一般的な高校生や小学生の野球選手を対象に観察した結果、Ring-down artifactの有無と肘内側裂隙間の拡大距離とは関連がないことを示しました。
エコー画像を誤って判断しないために必要な提案であったことが評価され、この度の受賞に至りました。