医療系研究科在学生が日本ストレスマネジメント学会第23回学術大会?研修会で優秀発表賞を受賞しました。

本学修士課程1年の今泉菜緒さん(指導教員:村瀬華子教授)が、日本ストレスマネジメント学会第23回学術大会?研修会(2025年6月7~8日:ウインク愛知)にて研究発表を行い、優秀発表賞を受賞しました。

今泉さんは、『ストレスマネジメントに基づく薬物乱用防止教室が中学生の薬物乱用への態度とストレス反応に及ぼす影響-実施2週間後の効果検証-』について発表を行いました。

概要

 本研究では、中学生を対象にストレスマネジメントに基づく薬物乱用防止教室を実施し、市販薬の過量服薬の危険性の認識の向上、ストレス対処法略の獲得、ストレス反応の低減についての効果を調べました。以前に行った同様の研究では、薬物乱用防止教室実施直後にアンケートを実施したところ、ストレス反応が高まってしまうといった結果が確認されました。薬物乱用防止教室内の乱用の危険性を伝える内容が、一時的にストレス反応を高める作用をしてしまったと考えられたため、本研究では、薬物乱用防止教室実施2週間後にアンケートを実施しました。
 本研究において、薬物乱用防止教室実施前と実施2週間後の2回のアンケートを比較した結果、市販薬の過量服薬の危険性の認識が高まり、情報収集をしたり、誰かに相談したりするなどのストレス対処法略の獲得が確認され、そして、ストレス反応の減少が確認されました。この結果から薬物乱用防止教室の効果性の確認では,アンケートの実施時期を工夫することが重要となることが示されました。

今後の展望

 このような栄誉ある賞を受賞できましたのは、ひとえにアディクション心理学研究室の村瀬先生と野村先生のご指導の賜物と感じております。誠にありがとうございます。ストレスマネジメントに基づく薬物乱用防止教室は、昨今問題視されている市販薬の乱用問題の解決に必要な取り組みであると考えております。
 今回の受賞を励みに、生きづらさを抱える人々の力になれるよう、より一層研究に邁進して参ります。引き続き、ご指導ご鞭撻のほど、よろしくお願いいたします。