低侵襲?高難度手術とは

低侵襲手術とは鏡視下手術を中心としたからだに負担(侵襲)の少ない患者さんに優しい手術です。高難度手術とは手術手技が複雑で、豊富な経験と高度な技量が必要とされる難易度の高い手術です。当教室は高難度手術を数多く行っているハイボリュームセンターであり、さらに高難度手術においても低侵襲手術を積極的に行っています。



低侵襲手術とは

低侵襲手術とは、からだに負担(侵襲)の少ない患者さんに優しい手術のことです。
その中心になるのが鏡視下手術(腹腔鏡?胸腔鏡下手術やロボット支援下手術)です。

図A. 開腹手術はおなかに手を入れるため大きな傷が必要。

図B. 鏡視下手術はポートから細い鉗子を入れるので小さい傷で負担が少ない。

低侵襲手術は、開腹?開胸手術に比べ

?傷が小さく痛みが少ない
?術後の回復が早く入院期間が短い
?術中の出血や術後の癒着が少ない

など、患者さんにとって多くのメリットがある手術です。



鏡視下手術では、炭酸ガスでおなかを膨らませ、0.5~1cmのポートから細い鉗子や内視鏡カメラを入れ、拡大された映像を見ながら手術をします。

鏡視下手術とは

一方、鏡視下手術は高度な技術が要求され、経験豊富な高い専門性を持った医師やスタッフのもとで行われなくてはいけません。当教室には日本内視鏡外科学会技術認定※取得者が13名在籍しているため(上部消化管外科3名、下部消化管外科5名、肝胆膵外科4名、小児外科1名)、すべての消化器系臓器を対象に鏡視下手術を安全に行っています。

※日本内視鏡外科学会技術認定制度とは…
『内視鏡手術を安全かつ適切に施行する技術を有しかつ指導するに足る技量を有していることを証する』、日本内視鏡外科学会の技術認定制度です。この技術認定審査は合格率25%(消化器?一般外科領域/2018年度)の難関です。

高難度手術とは

手技的に複雑でとても難しい手術のことで、豊富な経験と高度な技量が必要とされる難易度が高い手術です。消化器外科領域では食道切除再建術、胃全摘術、大腸全摘術、直腸がんに対する直腸切断術や低位前方切除術などが相当します。特に肝胆膵外科領域では、膵がんや胆道がんに対する膵頭十二指腸切除術、肝がんに対する比較的大きな肝切除術(肝亜区域切除以上)など、その多くが高難度手術です。一部の高難度手術においては、症例数の多い施設(ハイボリュームセンター)で行われたほうが合併症や術死率が低い傾向にあるため、ハイボリュームセンターで行うことがガイドラインでも推奨されています。当教室は高難度手術症例を数多く行っているハイボリュームセンターであり、さらに高難度手術においても低侵襲手術を積極的に行っています。