研 究

Research

実験動物学

実験動物の開発と動物実験の適正化を推進し医学教育と先端研究に貢献する
佐藤俊哉
佐藤 俊哉
Toshiya
Sato
教授
担当科目実験動物学?実習
専門分野実験動物学、神経内科学
キーワード動物実験、発生工学、生殖工学、ヒト疾患モデル

スタッフ
博狗体育在线_狗博体育直播【官方授权网站】@医学部 実験動物学単位
教授 :佐藤 俊哉  筋萎縮性側索硬化症モデルの開発
准教授:大久保 直  マウスの形態形成を制御する分子機構解明
助教 :東  貞宏  発生工学手法による遺伝子組換えモデル動物の作成

教育について
医学部では第2学年の「実験動物学?実習」を担当しています。その他にチュートリアル教育、医学研究入門、農医連携特定実習も担当しています。大学院医療系研究科では、生殖工学を担当しています。

「動物実験に関する教育訓練」を定期的に開催し、動物実験の国際原則"3R"、関連の法規、動物実験計画の立案と審査、各種実験動物の特性、遺伝子組換え動物の取扱い等に関して教育を行い、適正な動物実験の実施を推進します。

研究について
実験動物学の重要な領域として、生体機構の理解に有用なモデル動物の開発と解析があります。以下のテーマで研究を進めています。

(1)ゲノム編集技術を駆使して筋萎縮性側索硬化症モデルの開発を進めています。加えて高精度質量分析技術を活用し、DNAから蛋白の翻訳後修飾レベルにわたる異常を個体レベルで解析することにより、筋萎縮性側索硬化症の病態解明?治療法開発を目指しています。

(2)遺伝子改変マウスを用いた発生学的研究により器官形成および細胞分化の分子機構の解明を目指しています。これらの基礎研究から先天性疾患の発症機構の理解に貢献したいと考えています。

(3)発生工学手法を用いた遺伝子組換えモデル動物の作成研究では,新たなES細胞開発のための基礎的研究,クローン技術を用いたトランスジェニックブタ,受精卵及び配偶子の凍結保存に関する基礎的研究を実施しています。

(4)ドーパミン受容体を介する経路に着目し、遺伝子操作マウスを用いて動物の運動を制御するしくみを解明する研究を進めており、パーキンソン病等の運動障害を示す神経疾患の病態の理解を目指しています。
医学部2年生:実験動物学実習におけるマウス受精卵の観察
マウスの体外受精を行い、受精およびその後の初期胚の発生過程を観察します。

実験動物学01

農医連携教育プログラム
例年8月に獣医学部3年生の皆さんが、遺伝子高次機能解析センターでマウスの発生工学?生殖工学の実習を行います。

実験動物学02

Ripply3遺伝子欠損マウスにおける鰓弓動脈の形成異常
Ripply3欠損マウスでは第3、4鰓弓動脈が形成されません(胎生10.5日)。
このような異常が起こる原因を解析しています。

実験動物学03

特色
本単位は、教育?研究を推進すると共に、実験動物施設の管理?運営をセンター職員と協力しておこない、利用者の教育?研究を支援しています。特に、遺伝子高次機能解析センター(以下センター)が平成14年7月に医学部30周年記念事業で開設され、他施設からの導入を容易にし、発生工学による研究支援をルーチンワークとして実施しています。更には遺伝子組換え動物の作出を実施する新しい概念の実験動物施設として,センター利用者に高度な教育?研究環境を提供しています。

将来展望
本単位の担当範囲は「多岐にわたる動物に関して,どのように実験動物施設の飼育環境に順化させて研究に役立てるか」,「どのような動物が,どんな動物のどの器官が,どのような研究に適しているか」,「動物実験成績の信頼性?再現性のために動物を健康な状態で飼育して実験に供するか」,「実験動物の特性を明確にする」,「研究目的にあった新しい実験動物の開発」等であると考えています。また,実験動物?動物実験に関する情報収集?情報提供も重要な任務です。更に,遺伝子高次機能解析センターの機能としてマウス系統保存,クリーン化,研究者からの依頼による遺伝子組換え動物の作成等、発生工学業務の充実も図ってゆきます。

研究室への参加者募集
現在、日本の生殖工学?発生工学の分野では博狗体育在线_狗博体育直播【官方授权网站】@で学んだ先輩方が大変に活躍されています。本学の教育?研究環境を活かして、将来発生工学や生殖工学の分野で活躍する人材の育成に貢献できればと思います。関心のある大学院生は是非ご連絡ください。

主な研究実績
        1. Okubo T, Sato A, Okamoto H, Sato T, and Sasaoka T. (2017) Differential behavioral phenotypes of dopamine D1
            receptor knockdown mice at the embryonic, postnatal, and adult stages. International Journal of Developmental
            Neuroscience 66. 1-8.        

        2. Okubo T, (2014)  Tbx1/Ripply3/Retinoic acid signal network regulates pharyngeal arch development.  New Principles in
            Developmental Processes (Springer)  Chapter 8. 97-109.

        3. Okubo T, Kawamura A, Takahashi J, Yagi H, Morshima M, Matsuoka R, Takada S. (2011) Ripply3, a Tbx1 repressor, is 
            required for development of the pharyngeal apparatus and its derivatives.  Development 138. 339-348.
       
        4. Sato T, et al. (2009) Severe neurological phenotypes of Q129 DRPLA transgenic mice serendipitously created by en
            masse expansion of CAG repeats in Q76 DRPLA mice. Human Molecular Genetics 18. 723-736.

        5. Okubo T, Clark C and Hogan BL (2009) Cell lineage mapping of taste bud cells and keratinocytes in the mouse tongue
            and soft palate.  Stem Cells. 27. 442-450

        6. Azuma S, Anzai M, Juni A, Yokoyama M, and Toyoda Y. (2009) Efficient isolation of embryonic stem cell lines from
            hatched blastocysts. The Kitasato Medical J. 39, 126-134.

        7. Okubo T, Pevny LH, Hogan BL (2006)  Sox2 is required for development of taste bud sensory cells.  Genes &
            Development  20. 2654-2659.

        8. Okubo T, Knoepfler PS, Eisenman RN, Hogan BL (2005)  Nmyc plays an essential role during lung development as a
            dosage-sensitive regulator of progenitor cell proliferation and differentiation.  Development  132. 1363-1374.

        9. Sato T, et al. (1999) Transgenic mice harboring a full-length human mutant DRPLA gene exhibit age-dependent
            intergenerational and somatic instabilities of CAG repeats comparable with those in DRPLA patients. Human
            Molecular Genetics 8. 99-106.

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