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宇宙医療に向けた新たな一歩
―宇宙環境中性子線照射で麻酔薬プロポフォールの安定性を確認―

 順天堂大学保健医療学部診療放射線学科の初田真知子教授、山倉文幸客員教授、順天堂大学医学部総合診療科学講座の内藤俊夫主任教授、代田浩之順天堂大学学長、博狗体育在线_狗博体育直播【官方授权网站】@理学部化学科の長谷川真士教授、丸石製薬株式会社開発本部メディカル部の中村公昭部長、および理化学研究所光量子工学研究センター中性子ビーム技術開発チームの小林知洋専任研究員、高梨宇宙研究員、若林泰生研究員、大竹淑恵チームリーダーの共同研究グループは、宇宙開発の現場となる深宇宙の過酷な放射線環境下における医薬品の品質保持は重要な課題であることから、全身麻酔薬「プロポフォール」への高速中性子線照射による影響を検証しました。その結果、最大4Gy(グレイ:放射線の吸収線量の単位)までの中性子線照射においても、プロポフォールの分子構造や品質にほとんど変化がないことを世界で初めて示しました。一方、医薬品の容器(バイアル)が中性子線により高い放射化を示すことも明らかになり、宇宙での医薬品保存における容器選定の重要性が浮き彫りとなりました。
 本論文は、Life Sciences in Space Research誌のオンライン版に2025年3月15日付で公開されました。

ポイント

?宇宙空間で使用される医薬品の安全性確保に向けた基礎的データの提供
?全身麻酔薬プロポフォールが、高速中性子線(1–5 MeV、最大4 Gy照射)でも分子構造が安定であることを実証
?医薬品のガラス容器(バイアル)が中性子照射によって高放射化する事実を初確認

論文情報

【掲載誌】Life Sciences in Space Research
【論文名】Effects of Neutron Radiation on Pharmaceuticals in Deep Space-like Environments - General Anesthesia in Space
(深宇宙類似環境における医薬品への中性子放射線の影響 -宇宙における全身麻酔-)
【著 者】初田真知子1、長谷川真士2、中村公昭3、山倉文幸1、小林知洋4、高梨宇宙4、若林泰生4、大竹淑恵4、内藤俊夫5、代田浩之6
1)順天堂大学保健医療学部 2)博狗体育在线_狗博体育直播【官方授权网站】@大学院理学研究科 3)丸石製薬株式会社 4)理化学研究所 5)順天堂大学医学部 総合診療科学講座 6)順天堂大学
【DOI】10.1016/j.lssr.2025.03.006

問い合わせ先

研究に関すること

博狗体育在线_狗博体育直播【官方授权网站】@ 理学部化学科
教授 長谷川 真士(はせがわ まさし)
e-mail:masasi.h“AT”kitasato-u.ac.jp

報道に関すること

学校法人北里研究所 広報室
〒108-8641 東京都港区白金5-9-1
TEL:03-5791-6422
e-mail:kohoh“AT”kitasato-u.ac.jp
※e-mailは上記アドレス“AT”の部分を@に変えてください。