集中治療センター長 新井 正康
GICUにおける我々の目標は、生命の危機に瀕した、あるいはその可能性の高い重症患者を、できるだけいい状態にして一般病棟での療養に戻っていただくことにあります。年間の収容患者数は約850人、外科系(術後)が約70%、内科系が約30%になっており、救命救急科や小児科を除く、ほぼ全科の重症患者を収容しております。95%の患者はICUを退室して一般病棟に帰棟しております。心停止時蘇生実施の可否(DNAR)の決定、治療制限等の方針の意思決定プロセスに問題がある場合など、医療倫理的問題がある場合は、随時主治医、GICU医師、看護師間でカンファランスを開催して方針決定を行っております。
?施設認定:特定集中治療室管理料1施設、日本集中治療医学会認定専門医研修施設
<RST:Respiratory Support Team、呼吸療法サポートチーム>
人工気道や人工呼吸に関連したトラブルは、生命と直結する危険な事態を招きます。これら有害事象を回避するためにRSTでは、ICUや一般病棟における人工呼吸器の安全使用、呼吸療法、気道呼吸関連事故の防止、人工呼吸器からの早期離脱を指導しております。RSTには、麻酔科医、小児科医、耳鼻咽喉科頭頸部外科医、救命救急科医、呼吸器内科医はじめ看護師、理学療法士、臨床工学技士が含まれており、上記課題の解決に尽力しております。年間1000人を超える患者に対して回診を行うとともに、マニュアル作成、教育指導を行っております。回診にはGICU退室後の患者さんが含まれるとともに、RST回診の結果GICU入室となる場合もあります。最近では在宅での酸素療法、人工呼吸が増加しており、入院後も引き続き在宅での治療が円滑に継続されるようにしております。RSTは常に医療の質?安全推進室と連携して業務にあたっております。
<RRT:Rapid Response Team、迅速対応チーム>
RRTは主に一般病棟の患者さんの病状に変化があった場合に、一般病棟からのスタッフの要請に応需する形で、RRTが病棟に赴きこれに迅速に対応して、重症化させないように対処しています。できるだけ軽微なサインを見逃さずに、病状変化の早期に対応しようとするものです。実際は一般病棟以外の様々な診療現場からの要請があり、年間1,000件のRRT要請に応需しています。RRTで対応した患者さんの多くは、一般病棟での療養をそのまま継続していただくことになります。しかし重症化が予想される場合やすでに重症な約15%の患者さんの場合には、GICUに入室していただくことになります。
また悪性疾患の終末期である場合には、終末期医療への転換を提案させていただく場合もあります。我々はGICU、医療の質?安全推進室とも連携し、入院患者における一般病棟における急変、重篤な有害事象の発生の防止に努めています。
<患者さんご本人ならびにご家族へ>
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